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発掘しました修正しました2016.04.11
なつかしいです、すこし読みやすくなったと思います髪を短く切っている。
男子みたいだと言われても私もそんな悪い気はしてなかったので、笑い飛ばしていた。
別にこれでいい、楽だから。
楽になればなるほど、色々なものが見渡せる。
くだらないものの狭間にある難しいこととか、無駄なこととか。
いらないものなんて無いと思っても、つい目についてしまう。
普段だったら気にもしないことを、楽になれば目につく。
例えば、そう。
エレンくんの側にいる、なんだか皆と顔立ちが違うミカサちゃんという女の子。
この子が不思議だった。
エレンくんに近寄ると、必ずといっていいほど、ミカサちゃんがそっと寄り添う。
そういう時、何故かミカサちゃんと私は目が合うのだ。
ミカサちゃんの、黒い目、黒い髪。
見たことない顔立ちな気がして、なんとなく気になっていた。
それは見た目からくる興味という、否定しがたい本質。
こんな普通の子が一位なんだ。
私は、それくらいにしか思えなかった。
だってミカサちゃんは、いつもエレンくんの側にいたから。
だから、だから、予想もしていなかったのだ。
電気を消した女子寮内。私は集団ベッドの一番上で寝ている。
すぐに迫る天井と、埃臭さが、眠気を誘う。
明日の訓練はなんだろう、誰と組もう、サシャちゃんと組んだら楽しそう。
そう思っているうちに、ミカサちゃんが来た。音も出さずに来れる。さすが一位。
半分寝てる私に這ってきて、そっと毛布を捲られた。
「なまえ。」
ミカサちゃんの、切なそうに欲情した声。
私はミカサちゃんの腰を引き寄せ、するりとズボンを脱がした。
抵抗が間に存在しない時間というのはこれほどまでに空気が冷たく体が熱いと感じさせる。
引き締まった腕が、今にも消えそうなくらいの動きをして動く。
白のパンツが、うっすら見える。
私とミカサちゃんの視線が絡まった。
指をそっと、パンツの上から滑らせた。
薄い生地のパンツだ。
もう少し頑丈なパンツにしろと言ったら、買うのが恥ずかしい、ときた。
ミカサちゃんは、女らしくするのが恥ずかしいようで、気持ちはエレンに向いているようだ。
何故私とこんな関係になったのかといえば、やはり私が男子のような見た目で、楽なほうにしか物事を見ないからだろう。
なんにも気にしない、隔てない。
気持ちの壁がない向こうから何がくるのか、知りたかった。
「なまえ、なまえ。」
向かうものがなんなのか、結果がもうすぐ見えそうなこの状況。
パンツの上からゆるゆると刺激すると、ミカサちゃんが自らパンツを脱いだ。
割れた腹筋、引き締まりすぎたといってもいい手足。
黒い陰毛は、いつ見てもどきりとする。
私は、というか私達は剃ってるから、ミカサちゃんは別の遠いところの出身なんだろうか。
一人だけ違うような気がするミカサちゃんを突き飛ばす気になれない。
「なまえ、おねがい。」
ミカサちゃんが、私の腹の上で恥ずかしそうに足を開いた。
暗い影の中にミカサちゃんの顔がぼうっと浮かんで、さらにその熱がこちらにまで伝わる。
自分の指を舐めてみると、音もしなかった。
指で性器を撫でると、すぐに濡れる。
気分の高ぶりは感じているようで、ミカサちゃんは頬を染めている。
起き上がって、腹の上にいるミカサちゃんを抱き寄せ、キスをした。
舌をいれることもない、ただのキス、拒否されたことは一度もない。
ミカサちゃんを寝かせて、足を広げさせる。
「エレン、エレン。」
代わりなのは、知っている。
私は男の子っぽくて、エレンに似てて。
性器全体に舌を這わせ、愛液と唾液を混ぜるように舐め回す。
陰毛が鼻に当たってちくちくするけど、これはこれでいいやと思っている。
指を二本、ミカサちゃんの中に挿入する。
その手のまま、片腕で重心をとってミカサちゃんに覆いかぶさる。
ミカサちゃんの中を刺激するたびに、表情がコロコロと変わる。
切ないような、快感に耐えられないような、気持ち良さそうな、そんな顔。
ミカサちゃんは、中をぐちゅぐちゅと指で音を立てられるたびに、蚊の鳴く声で「エレン」と呟く。
私は、この容姿が誰かの性欲のはけ口になることに喜びを覚えていた。
短髪にした、男の子っぽくても、私は女。
誰かが、何かしらの性欲をぶつけてきたら、それを受け取らないわけにはいかないじゃないか。
私は男じゃないから、手と舌でおしまい。
ミカサちゃんが気持ち良くなるまで、手探りのように責める。
なんでこうなったんだっけ、ああ、ミカサちゃんの無謀な好奇心を私が最初拒否しなかったからだ。
でも、私もミカサちゃんも悪くない。
「エ、エレン・・・はあ、なまえ、気持ちいい・・・。」
「そっか」
ミカサちゃんの汗ばんだおでこに、キスをした。
おでこに張り付いた黒髪が、とっても綺麗。
エレンは思われてるんだ、なら、もっと強くなってね。
女同士のこれは、至ってシンプル。
挿入する逸物がないから。
「はあ・・・なまえ、きもちいいの、もっと。」
「どれが気持ちいいの?」
「え、あ。」
「恥ずかしいんだ。ちゃんと言ってよ。わかんないよ?」
「いや・・・。」
「ちゃんと言ったほうが、エレンはきっと興奮するよ?」
ミカサちゃんは、しぶしぶ自分で、中に指を入れた。
ここ、と言ったミカサちゃんの顔は真っ赤で、可愛いなって思ってしまった。
ゆるゆると触るだけでも、ミカサちゃんは相当興奮するようだ。
一体、何を妄想してるんだろう。
「なまえ、なまえの指気持ちいい・・・。」
「そう?・・・ミカサちゃんの中、凄い締まりだね」
囁く程度の言葉のやり取り。
きっと脳内では、彼女の理想が書かれているんだろう。
私だって、気になる男の人とのことを考えて一人でしたことがある。
でもそれを他人としようと思うくらいには、ならなかった。
女同士とはいえ、誰かに恥ずかしいところを見せるのは、すごくすごく未知なこと。
赴くままに、キスしたら、誰かに怒られるんだろうか。
下生えが全部濡れるくらい、ビショビショに濡れたミカサちゃんのそこ。息をつまらせ、体を痙攣させるミカサちゃん。
腹筋の下にある内蔵は、私と同じ。
知らない人から見れば皆同じ人なんだ。
早く、エレンとセックスできるといいね。濡れた指を引き抜いて、またキスをしたら、ミカサちゃんに頭ごと抱きしめられた。
ゆっくりと、唇を割って舌が口内に入ってくる。
息をするタイミングがわからないのと、突然の刺激に、脳がビリビリした。
口を離すと、目の奥にぼやけた快感を残したミカサちゃんが、呟いた。
「今度はなまえも、下を脱いで。」
ミカサちゃんが、私のズボンをずらした。
赤くなる私を見て、不適に笑う。ああ、そうか、この子は恐れを知らないんだ。
私は黒髪短髪で、男の子っぽい。だから、誰かから性欲をぶつけられるのは、非常に慣れてない。
代わりになるのも、悪くない。だって私達は、女同士だから。
薄い唇に、そっとキスをした。
一体この容姿が誰にどう映ってるのか、非常に興味がある。
男の子っぽい姿、良く言えば中性的な容姿。
悪く言えば、柔らかさ以外に女性らしい要素を持ち合わせていない容姿。
私は過ごすまま、誘われるがまま、流れるままという、ふしだらな生活を傍にしていた。
何故、問題にならないかと聞かれれば、ふしだらな生活の隣に寝そべる者は同性だからだろう。
傍目からすれば、ただ仲良しの年頃の女同士が一緒に遊んでいるだけだ。
誰も何も言わない、気づかない。
気づいていても、口にしない。
自分が気にされない存在なのではなく、誰も気に留めないことをしているだけ。
思えば思うほど、自分の意思だけは頭の片隅に固まることに気づいたのは後のことだった。
今日も、ペトラのベッドで寝る。
水を浴びただけの冷たい体にタオルをひっかけて、部屋に訪れると、ペトラは既にシーツにくるまっていた。
ベッドの縁に座り、真っ赤な顔をしたペトラをまじまじと見る。
「赤いよ、どうしたの」
ペトラは無言、否、言葉を詰まらせた。
視線をシーツの海に落とし、次に視線をあげたときには、私の短髪と、顔と、おっぱいをまじまじと見て赤面した。
次は、私は誰に似てるんだろう。
薄い容姿は、性別の匂いがない容姿は、どう見えるのか。
楽に考えているのが自分だけで、他はそうじゃないから、こういう事態になる。
事態といっても重く受け止めていないから、気に留めることじゃない。
ほら、やっぱり私は軽く考えているだけなんだ。
「ねえペトラ」
体にかけていたタオルを払い、四つん這いでシーツにくるまるペトラに近寄った。
私を見つめる可愛い顔、そっと、音もならないような軽いキスをした。
ちゅ、と耳の奥底で弾けて落ちた音。
ペトラは、赤面するかと思えば、顔を赤くするのを少しばかりやめていた。
シーツに手をかけ、引っ張る。
ペトラの白い肢体が、露わになった。
綺麗だな、可愛いな、と思う。
よく見ると腹筋が割れてるけど、くびれのラインが綺麗。
そうやって、ペトラの体を褒める言葉を呟き、胸を揉んだ。
「あ。」
ペトラから出た、可愛らしい声。
潤んだ目、切なげに開いた唇。
そっと、ペトラの足を割る。
足に変な力が入っていたのを感じて、すこし嬉しくなった。
ぺトラの目の焦点は、とっくに合っていない。
何を見ているか、あとで聞いてみよう。
そう思っても後になればどうでもいい、だってそれはぺトラのことだから。
ペトラの股に顔をうずめ、大げさに性器を舐めた。
舌で性器の形をなぞったあと、中に舌を挿入して反応を楽しむ。
顔の動き、胸の動き、全身の動き。
眺めていれば、人の体は動いていないといけないことを知る。
すぐにペトラは、指を欲しがった。
「もう指でいいの?」
「うん、なまえさんの指、すき。」
ペトラのクリトリスを撫でてから、指二本を挿入する。
親指でクリトリスを刺激し、中の指を動かす。
実は手が疲れるのだ。
中を擦るたび、愛液が溢れてくる。
その間、ペトラはずっと目を瞑っていた。
私の顔を、見ない。
きっとこの子も、頭に理想を描いたまま快感をものにしているのだろう。
「ペトラ」
責めたまま、ペトラを呼んだ。
うっすらと開いた目は、潤んでいる。
わざとらしくクリトリスを擦りあげると、ペトラが嬌声をあげた。
小刻みに声帯を震わせ、アッアッと喘ぐ。
手で出来る限りの快感を与えているつもりだが、ペトラはどうなのだろう。
どこが気持ちいいか、言ってくれない。
親指で、力は強めにクリトリスを押すと、ペトラの腰が跳ね上がった。
蕩けた顔と、今にも泣き出しそうな表情。
同性のこういった顔を見て、何かしらの興奮を覚えた私は、後戻りが難しくなっていると思う。
ぺトラのからからの口の中から、言葉が漏れた。
「へいちょぉ・・・う、あ、あ。」
そう、その人がペトラの好きな人なのね。
私は更に責めを激しくして、ペトラを達させたあと、しばらくピロートークをしていたが、ペトラが寝たあとは、そっと部屋を後にした。
特に思うこともなく、記憶の片隅に母親が説明していたことを思い出す。
男と女がすれば子供ができる。
同意の上でする。
結婚した人たちがすれば、子供を作るためにする。
じゃあ私がしていることと、女の子が私に求めることはなんの意味があるんだろう。
どう考えても、何か意味があるに違いない。
夜遅くの部屋を後にして、音もしない建物をうろうろする。
誰かに遭遇しないか。
ぺトラが好きな兵長とか、偶然外にいたりとか。
あの生真面目で神経質そうな人が夜遅くに起きているのは想像できなくて廊下から吹き抜けの下を覗いても、暗く手入れのされていない茂みしか見えない。
味気のない夜にも、誰かはいるもので私に低い声が降りかかった。
「なまえさん?」
声の主は、エルヴィンさんだった。
夜遅くに女が廊下の窓から外を見ているなんて、不気味だったのだろう。
私だと確認すると、顔を険しくさせた。
「いや、悪かった、一瞬リヴァイかと。」
その人が、こんな時間に廊下にいるわけがない。
エルヴィンさんの言葉、そして先ほどのぺトラの言葉も気になり、聞いてみた。
「私、兵長に、そんなに似てるの?」
至って真面目に聞くと、真面目な顔をされた。
無言が続いたあとにエルヴィンさんが答える。
「髪型が微妙に。」
たしか、兵長は刈り上げていた。
でも、そこまで似てない。
それに兵長と私なら、私のほうが20cmは背が高いから、そもそも間違えるはずはない。
どうせ、半分聞きたがりで来たのだろう、と曲がった思考をした。
「任務に新兵が招かれることはない、だが、君も知ってのとおりぺトラは分隊の贔屓だ。」
「そりゃそうでしょう、ぺトラは強いもの」
「・・・ペトラはどうして、君を連れてきたんだい?」
その曲がった思考を正すように、直球の質問がきた。
エルヴィンさんの困った顔と、私の何も考えてなさそうな浅い表情。
言葉を使って、上手く誘導することはできないから、本当のことを言うことにした。
「エルヴィンさん、分かってるんでしょう」
「隠すことはない、珍しくもない。誰かを愛するのに、性別は関係ない。」
「ちがうよ」
「何が違うんだ、君とぺトラは・・・。」
「ちがうんだよ」
「こういう話は得意ではないが、間違ったことなんてない、卑下することはない。」
重くのしかかることもない、エルヴィンさんの言葉。
迷いのない言葉をさらっと言えるのは格好いいな、なんて思いながら、私は一度視線を床にうつした。
私の男性寄りの見た目、私の見た目と誰かを重ねる子。
恋に迷える子からしたら、私はこの上なく、便利。
そう、便利なのだろう。
ミカサちゃんの顔、切なそうにエレン、エレンと呼ぶ声。
ペトラの、切羽詰まった、へいちょぉ、って声。
私は愛による性欲の行き場をなくした女の子の、慰みにしかなってない。
それもそうだ、男性寄りの見た目をした自分は、どこか曖昧な道を自ら歩んでしまっている。
この曖昧な道を、正すことはできるんだろうか。
「男の人」
「は?」
「初めては男の人としたい」
唐突に漏れた自分の意思。
隠していたわけでもないので、自然と出てしまう。
ただ、相手は男の人だ。
エルヴィンさんが沈黙してしまった。
自分が、男の人としてるところを想像した。
見ただけじゃ、少し女っぽい男が挿れられてるだけだろう。
そんな光景をいつか現実のものに、いや、そんなものはいつでも現実にできる。
それをしないだけの私は、どこか曲がっている。
エルヴィンさんと呼ぶのをやめて、団長すいませんでしたと言ってぺトラの部屋に戻るべきか。
戻っても、大体起こることがわかる。
「本音言ったの、初めてだよ、エルヴィンさん。」
私は、普段からはきっと想像もつかないであろう、緩い笑顔をエルヴィンさんに見せた。
「大丈夫、ここでエルヴィンさんのしゃぶり散らかすようなのじゃないから」
「口は慎め。」
「処女のくせに女との経験積んだ奴だよ、面白くない?」
「面白くない。」
「なんで?」
険しい顔がすこしだけ、緩んでいた。
この顔は知ってる。
倫理観と性欲の狭間にいる時の顔だ。
こんな顔を、男の人もするんだ。
「もう、誰かの恋心から産まれるものと触れ合うのはやめなさい。自分の恋心から産まれるものを大事にしなさい。」
エルヴィンさんの真剣な顔に、私はときめいてしまった。
物珍しいから、話を聞いてくれただけと分かっていても、エルヴィンさんがまるで聖人君子のように見える。
男の人も、悪くない。
もしセックスするんなら、エルヴィンさんみたいな、いや、エルヴィンさんがいいな。
2013.06.23
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