喘ぐ雄猫





文中で注意挟みます





懐くように抱きつく尊くんを撫でると、膝の上に甘えてきた。
撫でてみると頬を掴まれ引き寄せられ、キスをされて格好つけた顔をされた。
「なまえさん、好きです。」
「私もよ」
良い子良い子するように撫でると、むっとした顔をされた。
「ボクは子供じゃないんです、やめてください」
「尊くん、可愛い」
「なまえさんが好きなんです、大好き、でもなまえさんは子供みたいなボクじゃないとダメなんですか?」
抱きついていたのに起き上がり、私に不満そうな顔で向き合う。
休みの日でも良いとこの服をきっちり着て、身だしなみには気を抜かない。
それでも、年頃だ。
「尊くんのことを子供扱いしてるわけじゃないの、母性があると撫でたくなるのよ」
「母性ですか。」
「母性」
「なまえさんはボクのママじゃないでしょう。」
「うん、違うよ」
むっとした顔のまま、キスをされた。
薄い唇が触れて、鼻先に尊くんの匂いが漂う。
「キス上手」
「ボクだって、キスくらい。」
ぎゅっと抱きしめて、尊くんに囁く。
「こうして抱き合って、気持ち良いって思うこと、すごいことなのよ?」
当たり前のことを言っても、まだわからないのではないかと不安が過ぎる。
歳を考えれば当然だし、大人なんだから怖いと思われたら引かなければいけない。
恋人同士で、将来は唯我なまえになれと言われることがあっても、私が年上。
正常位でキスをしながら抱きしめあって、体で繋がり、喘ぎながら私を貪る尊くんが「なまえさん、ボク、下手じゃないですか?気持ちいいですか?」と聞く、あの可愛らしい顔。
かっこいいはずの、男の子。
どこか情けなくて、でも育ちがいいから素直でいることに疑問を持たない。
そんなところが好きで猫可愛がりしていても、男の子は男の子なのだ。
「そう、なんですか。」
「尊くんはまだわかんないか」
「わかりますっ!ボクだって、初恋は済ませました!」
「そっか、男の子だもんね」
「ボク、もう男の子って歳じゃありませんよ。」
思わず笑ってしまい、尊くんがまた不満そうな顔をした。
尊くんの頭を撫で、キスをする。
不満そうにへの字になる唇をつつくと、ちゅんと鳥のような唇をされた。
「どうしたの、尊くんらしくないね」
私としては、尊くんならなんでもいい。
尊くんから誘ってきたときは、身を委ねる。
赤いリップで彩られた唇にキスしてきて、色が移ることを気にせず何度もキスをして、抱きしめる。
ぎゅーっと抱きしめると、シャンプーの良い匂いがした。
お風呂でも良いものを使う家の子だから、ケアも徹底している。
大きなバスタブで洗いっこしているうちに水遊びになってのぼせるのも、よくあることだ。
一緒にいれば、どこだっていちゃつける。
シャワー、風呂、シャンプーの匂い。
ふと、思い出した。
尊くんのズボンのベルトを緩めると、腰が引けた。
それでも嫌がるだけで抵抗しないところが、可愛い。
「わ、なまえさんっ!」
ベルトを外し、手の平で下着の上から触る。
勃起しているのを確認して、パンツから解き放った。
「ちゃんと剥けるし、ピンクで可愛い」
致すときに致せるのなら問題ないのだ、と女の理論を説明しても、届かないのだろう。
「好きな人には、いっぱい気持ちよくなってほしいの」
そう思うでしょう?と言う前に尊くんにキスをすると、頭の両側に尊くんの手が触った。
抑えられ、慣れてきた舌でキスをする。
空いた手で自分の下着を脱いで、尊くんに体を密着させる。
首筋にキスをしている間にズボンを脱がし、お尻を露にした。
いいボディソープで洗っていそうな綺麗な肌と、丸くて薄い、白いお尻。
指にコンドームを嵌め、舐める。
ベッド近くにあったローションを手に取ったとき、異変を感じ取った尊くんが振り向いたけれど、もう遅い。
「なまえさん、え、あの、え、なにを。」
「この前お尻の毛剃ったでしょ?せっかくだし尊くんをもっと気持ちよくしてあげたいの」
「え?あ?ええあああ?の?ボク、そういう趣味は・・・!」
「ここを使うのは同性愛者だけじゃないのよ」
尊くんの尾てい骨にキスをして、コンドームを嵌めた指を肛門に埋めた。
「力をすこしだけ入れて、指が埋まったら、緩めて」
私の言うとおり、肛門に力が入る。
きつい穴にコンドームで覆った指を挿入して、片方の手でローションを垂らし、不快感を薄める。
「なまえさん、あ、うっ。」
お尻だけを上げる、都合のいい体勢をとってくれた尊くんの直腸に指を進める。
きつい締め付けが指を多い、中指でお腹のほうを押していく。
触診のような行為のおかげで、尊くんの息は詰まりかけている。
お腹のほうを押しているうちに、固いものに触れた。
これだ。
中指でぐっと押すと、尊くんの腰と肩が跳ね上がり、ひゅっと息を吸い込む音がした。
震えた手でペニスを押さえ、戸惑っている。
シーツに顔を突っ込ませたまま、喘いだ。
「うっ、ぐ、はぁ、なまえ、さんっ。」
固いものを押すたびに、尊くんの腰や肩が跳ねて、睾丸は動く。
目がぐるぐると動いている尊くんを見て、何が起きているか明かす。
「ちょっと変な感じした?前立腺だよ」
揺らすように指先で前立腺を触ると、尊くんの爪先が丸まった。
張った太ももと上がったままの腰が物語る快感の波を見て、尊くんのペニスをそっと撫でる。
「ほら、ちんちんおっきくなったよ、びんびんじゃん」
ゆっくりと、コンドームを嵌めた指を引き抜く。
指が抜かれるたびに腰が落ちて、中指が解放された頃には腹ばいになっていた。





ここから先でペギングしてます注意










どきどきするお腹の中を押さえる尊くんの横に、ベッド下に置いておいたアダルトグッズボックスを出す。
尊くんの頬にキスをすると、薄い唇から喘ぎと吐息が混ざる。
横目で何度も見る尊くんの顔が、可愛らしい。
「なまえさん、それは。」
ボックスの中を開いて、中身を見せる。
ローション二つとアナルビーズ、初心者用のアナルディルドとペニスバンド、ローターが三つ。
ローターは今日は使わないからボックスに戻し、見せる。
「前立腺開発初心者向けセット」
名称を聞いた尊くんが、うわあと言いたそうな顔をした。
「大丈夫よ、こういうのはね、ただペニス型入れたって駄目なの、じっくり最初からやらないと痛いし気持ちよくないの」
真面目に語る私をまじまじと見る尊くんに、大事なことを聞く。
「まあ初心者用だから問題ないけど、浣腸する?」
「きょ、今日は遠慮します・・・。」
青ざめた顔を見る限り、浣腸は嫌いなようだ。
どんなに育ちのいい坊ちゃまでも、嫌いなものは嫌い。
アナルビーズを差し出し、床にバスタオルを放り投げながら尊くんに見せる。
「まずこれで慣らすね」
「え、と、それをお尻に。」
頷くと、尊くんが腕を掴んで構えかけた。
警戒と興味が半々の尊くんの目の前でアナルビーズを揺らす。
見た目だけなら、飴球が繋がったお菓子のようだ。
アダルトグッズも進化していると思い、尊くんにキスをしてお尻を撫でた。
緩く、冗談で叩くようにお尻を叩く。
ぺちん、ぱちん、と笑ってしまいそうな可愛い音を尊くんのお尻から鳴らすと、尊くんが赤い顔をして私を見る。
伏目のまま、私を見ては吐息で喘ぎを消す。
強く叩く気がないと分かると、尊くんが上半身を落として腰を上げた。
いいよ、の合図。
可愛さ満点合格と叫びたい気分だけど、尊くんが恥ずかしいのに頑張っているのだから、真面目にやるしかない。
アナルビーズを手に取り、ローションまみれにした肛門にゆっくりと入れる。
「おっ、ん」
苦しそうな声がしてから、アナルビーズが、ゆっくりと入った。
ひとつ、ふたつ、丸い球が肛門の中に埋まっていく。
何せ初心者用だから、苦しくて死にそうではないはずだ。
「おっ、お、う、あ、はぁっ。」
声は苦しさの中に喘ぎが混じっている。
つぷ、つぷ、と入るアナルビーズで蓋をし手を離すと、涙目の尊くんの顔が見えた。
蕩けそうな顔で、私を見ている。
それから、目尻が下がって懇願した。
「なまえさん、ボクのこと、嫌いにならないで・・・」
嫌いにならないよ、と言う前に、尊くんがお尻を私に向けて、顔を伏せ呟く。
「・・・きもちい・・・。」

「これね、こっちが連動してて、私も気持ちよくなれるんだ」
説明するまでもなく、これから尊くんの身体を責め立てるペニスバンドを見せると、興味深そうに見た。
ゴムとシリコンと、丸いプラスチックがついた偽のペニスは尊くんからすれば「なんだこれ」だろう。
既に入っているものとは違うアナルビースディルド部分を、顔に持っていく。
「これで慣らしてもいいの、でもそっちが入ったから、」
下着を脱いで、ペニスバンドを装着する。
そういう時だけしっかりと私を見て、なんだかんだで興味があるのが伺えた。
太さもないし、えげつない形もしていない。
痛みで死ぬことはなくても、やはり興味津々。
装着して具合を確かめている私の足元に、四つん這いで尊くんが這って来た。
上目遣いで見た後、私の腰の目の前に来る。
尊くんが、ゴムのペニスをフェラチオした。
そんなことをしても、私は何も感じないぞと思ったが、これで気分を盛り上げているのだろう。
見ることもなかった、大好きな尊くんのフェラチオ姿。
薄い唇が一生懸命顎を動かすたび、さらさらの髪が乱れる。
湧き上がる感情は今までと似たようなものなので、私は尊くんが好きなのに変わりはない。
ゴムのペニスをしゃぶりながら手はしっかり自分のペニスに伸びていた。
赤く腫れあがったものを早い手つきで扱く尊くんの口に、ゴムのペニスが咥えられる。
ゲイの男になった気分で、尊くんを責め立てた。
後ろ頭を掴み、喉の奥までゴムのペニスを突っ込む。
ぐぽ、と苦しそうな音が喉から聞こえてきても、顔を真っ赤にした尊くんはフェラチオをやめない。
ピストン運動によってクリトリスが擦れる仕組みのペニスバンドだから、正直舐められるのに意味はなかった。
鷲鼻を赤くし、薄い唇でゴムのペニスを招きいれ行為を受け入れている。
眺めとしては最高。
ようやく口からゴムのペニスを離し、尊くんがゴムを珍しげに見る。
「これ、何製ですか。」
「プラスチックとシリコンとゴムかな、頑丈だよ」
「そっちじゃなくて。」
「ああ、日本製」
「我が国は変なことに情熱をかけるのか。」
顔を顰めた尊くんを見て、笑う。
こんなことをわざわざ聞いてくるなんて、正気を保ちたくて仕方ないのだろう。
尊くんにキスして、お尻を撫でる。
じっと目だけを見つめて、何をするか口で言わずに目で伝えた。
真っ赤な顔をして眉を顰め、目つきの悪さを潤んで誤魔化そうと思われても仕方ない視線。
ぜんぶ愛しい尊くんが、私に委ねてくれるのが嬉しい。
尊くんから私にキスをして、後ろを向いた。
私にお尻を突き出して、寝そべる。
腰を撫でお尻にキスをしてから、精液の掃除が楽にできるようにペニスには非貫通型のオナホールをつけた。
もし、いや、しないとは思うけれど、ところてん状態になっても比較的楽に精液の掃除ができる。
ここからは神経質さとの勝負だ。
快感だけを刺激して、嫌がったら即やめなければいけない。
慣らす慎重さを頭に置いて、ローションボトルを手に取る。
ローションをたっぷりかけて、肛門を濡らした。
「次からはお尻の中キレイ綺麗しようね」
「は、い。」
アナルビーズを出し入れし、すこしは慣れた肛門をつつく。
浣腸をしていないから、終わった後念入りに洗わないといけない未来が待っている。
けれど、尊くんの気持ちが最優先。
初めては優しく触って、キスをして、慣らして慣らして、優しくして、甘い言葉をかけてあげないと。
ローションまみれにしたお尻を撫でてから、アナルビーズに触れる。
掴んで、一粒、二粒と出し、滑りに任せた。
何かを産むようにつるつると肛門からアナルビーズが出る。
「んあっ。」
解放感があったのか、尊くんが声を漏らす。
シーツに向かって口を開き喘ぎ、涎まみれだ。
先が細くなっている初心者用のアナルディルドを当てがい、少しずつ沈める。
アナルビーズで少し慣れた肛門は、滑りで挿入が可能だった。
「ほおっ、お、あ!」
思いもよらぬ感覚がしたのか、尊くんが間抜けな声を出す。
肉の僅かな緩みの中、アナルディルドは尊くんの直腸内に招かれた。
人差し指と中指をディルドにひっかけ、軽く出し入れする。
粘液の音もしないくらいの揺さぶりをして慣らすことが優先だ。
揺さぶるように丁寧な刺激を与えていると、尊くんの手が伸びてきた。
ディルドに触れ、自分で出し入れしている。
体勢を変える気はないようで、シーツに突っ伏したままお尻を弄っていた。
なんて可愛い姿だと思いつつ真剣だった。
痛くはないか、苦しくないか、違和感を感じてないか。
この時点で違和感を感じていたら、即止めだ。
尊くんの細い指がディルドを弄る光景は、見てはいけないくらい性的なものだった。
出しては、深く挿れる。
深く挿れて当たった場所を、小刻みに突く。
何かを感じる部分があるようで、ディルドを動かし続けていた。
手首が痛くならないのかと言いたかったけど、快感でいっぱいの頭はそれどころではないだろう。
背後からローションを垂らし、滑り気を増やす。
汗ばんだ首筋にキスをして、背中を撫でた。
つるつるの肌に浮かぶ汗すら可愛らしい尊くんが甘ったるい吐息を吐き出したので、ペニスバンドを意識する。
尊くんの足を撫で、指で掴んでいるディルドに触れる。
もうおしまい、そう合図するように触れてから、ゆっくりと抜いた。
「ひぇあ、あああ、んっ!」
ぬぽ、と小さな音を立てたディルドを床にあるバスタオルの上に置いて、ひくひくと収縮する肛門にコンドームを嵌めた指を一本挿入する。
片手間にアナル用ローションの蓋を開け、指を引き抜き直腸内に挿入した。
冷たい感覚がわかったのか、尊くんの腰がびくびくと跳ねる。
どうしていいかわからないのか、まだシーツと顔がお友達だ。
「尊くん」
「はい・・・。」
「挿れるね」
「おねがい、しますっ。」
細いゴムのペニスを、尊くんの肛門に当てがい、ゆっくりと腰に体重をかける。
埋まるか、埋まらないか、と見ていると、先が挿入される。
尊くんの細い腰を掴むと、ジェルで整えられた赤い爪が尊くんの腰の肉に食い込んだ。
赤い爪をした手が尊くんの腰を掴んで、犯そうとしている。
そんなふうに見えて、背筋に興奮が這い上がっていった。
白くて筋肉があるのがはっきりと分かる尊くんのふとももが、びくんと震える。
爪先がぐぱぐぱと動き、膝が伸びた。
圧迫感がペニスバンドの仕組みを通り、私の股が刺激される。
腰を進め、半分ほど挿入する頃には尊くんの肩は震え始めていた。
「はあ、ああ、ああああ、なまえさあんっ。」
名前を呼ばれ、多い被さり尊くんの耳にキスをする。
シーツを握り締める手を覆い、腰を動かした。
痛いとは言わず、ただ口からだらしなく息を吐き出している。
軽く突くと、低い声で喘いだ。
苦悶と、快感と、その間の声。
細い腰が、女の大きな尻に責められる。
肉がぶつかる卑猥な音はしないし、聞こえるのは尊くんの淫らな声だけ。
腰が動くたびに、ペニスバンドのベルトが尻に触り、仕組みどおり私にも快感が訪れ、オナホールの中のペニスも擦れる。
「なまえさあん・・・なまえさあん・・・ボク、おしりが・・・」
「変?もうやめる?」
「やです、もっと、してくださいっ・・・。」
意識が途切れ途切れになっていそうな声をした尊くんのおねだりを聞いてあげることにして、腰を掴む。
震える腰を、男の真似事のように突く。
何回か突くと膝の位置がシーツの上でずれて体勢を直して、また突く、体勢を直して、の繰り返し。
その間にも、尊くんは喘ぐ。
きっと今の私は犬のような腰使いなのだろう。
尊くんの腰を跨ぐように片足を上げ、腰を振る。
足でバランスを取り突くと、尊くんの腰が突き上げられ強請った。
責め立てれば、髪を振り乱して喘ぐ。
泣き声のような喘ぎ声が聞こえ、腰が跳ねる。
女性のような腰の動きをしても不自然なだけで、押さえ込もうとまた突く。
尊くんが叫ぶように喘いだ。
「ボク、おしりっ!とま、ん、ないんですう!!」
突かれているのに、腰の動きが止まらないようだ。
押さえつけるように
「う、う、ううう。」
女性とは違う、男性の小さい尻は、言う事をきく犬のようだと思った。
震えるお尻を軽く叩いて、腰にキスをする。
呻き、喘ぐ尊くんの背中を撫でてから、咥え込んだゴムのペニスにアナル用ローションを垂らし滑らせた。
覆いかぶさり、オナホールに包まれたペニスを掴んで扱き、腰を振った。
腰を振るように作られていない女の腰でこうするのも、かなり骨が軋む。
それでも出来るのは、相手の反応があってこそだろう。
「なまえさんっ、なまえさんっ。」
私の名前を呼ぶ尊くんを、感覚とイメージとなんとなくで腰を動かし責め立てる。
ローションが泡立ち、動かせばすぐに泡が割れた。
尊くんのディルドを弄る手つきを思い出す。
出し入れして、深く挿入したあとは、深いところを何度も突く。
オナホールに包まれたペニスを何度も扱き、後ろから責め立てる。
尊くんの背中がどんどん強張るのが分かった。
仕組みで擦れるクリトリスが、硬くなっているのが見なくても分かる。
同じような動きを思い出しながらしてみると、尊くんの喉から嬌声が上がった。
「んん、あああ、ひぃああああああああああ、あああああああああああああ!!!!」
女の子のような声で鳴く、男の子。
腰を動かし、オナホールに包まれたペニスを扱き、覆い被さりキスをする。
「なまえさん、なまえさんなまえさんなまえさん、なまえさんボクっボクもうっ!」
動く肩甲骨と乱れる髪の隙間から見える薄い唇が涎に歪み、喘ぎに彩られる。
戸惑いは、涙に混じって流れていく。
突くたびに腰を振る尊くんの足がガクガクと震え、小刻みに息を吐く。
分かるはずのないゲイの気持ちが分かる状態に、興奮した。
「やだやだやだなまえさあん、ボクのこと嫌いにならないでっ!!」
「大好きよ、尊くん」
「はぁ、はあ、はあ、ああ、あっ、ああ、あああ!」
髪の間から見えた瞳は、潤みきっていて睫毛には涙がついていた。
初めての快感でどうにかなりそうな時だから、安心を求めたのかもしれない。
腰を振れば振るほど刺激される仕組みに感謝しながら、快感にまみれて腰を振った。
「ううう、はあぁうっ、はあ、ああ、ああ!」
身体が揺れるたびに胸が揺れて、胸元が解放感の中にいるようだった。
尊くんの細い体が私の動きのあとに揺れる。
男はいつも、こんな光景を見てセックスしているのだ。
「あああっ!んあぁ、なまえさん、きもちいっ、ふあ、えはぁっ」
涎まみれの唇の尊くんが、腰を振る。
「なまえさあん、なまえさあん!へひっ、んああ、ううう!」
耳元で囁く。
「いっぱい出していいからね、一緒にしよ」
腰を振る回数も、扱く手の早さも迫るように責めると、尊くんが私を見た。
強請るような目をした尊くんの顔に、腰のあたりが熱くなる。
「なまえさん、なまえさんっもっと側に・・・」
背中におっぱいをつける体勢で尊くんの腰を抱え、おしりを犯す。
近くで見るとシーツはよだれと涙で糸を引いて、ぐしゃぐしゃだ。
「なまえさん、ボク、きもちい、もう!」
「いいよ、いっぱい出してね」
喘ぐ尊くんの口の中で糸を引いた唾液が切れ、舌の上に落ちる。
赤い舌が濡れて、蠢く。
歯を食いしばり見えなくなった舌から滲む唾液は、まだ滴っていた。
「なまえさんすきっ、すき、ボクもういっちゃうっ!」
オナホールの中にあるペニスが、膨らんだ気がした。
分かりきった手つきで扱くと、腰が何度か小刻みに動き、尊くんが苦しそうに、消え入りそうな声で叫んだ。
「ぁああぁぁぁ、あっ!」
オナホールの中に精液が出され、白濁が広がる。
詰まった息を吐き出した尊くんの肩の震えが止まり、手が緩んだあと投げ出された。
呆然とする尊くんに触れないようにして、ゆっくりとペニスバンドを引き抜く。
引き抜いたあとの肛門は、腫れていなかった。
初心者用だから当然かとベルトを緩め、床のバスタオルにそっと置く。
汗まみれで横になる尊くんの息が落ち着いた頃、抱きしめる。
ゆっくりと私に向き合い、快感に疲れた重たい瞼のまま私を見た。
腰の不調は今のとこ無いようで、お尻を押さえる動作をしない。
シャワールームに行くまでの道で歩けるかどうかが判断基準になるとしても、重たい瞼で私を見てくれているのだから大丈夫。
「アナニー、やってみたら?」
冗談半分そう言うと、いつもの尊くんに戻った。
泣きそうな顔をしながら、顔を赤くする。
「なまえさん以外におしりを触られるなんて、あり得ないです!」
よかった、いつもの尊くんだ。
細い体を抱いて、汗ばんだ額にキスをする。
いつものように頬を染める尊くんを見て、濡れた唇をなぞると唾液の糸が私の指に付着した。






2015.11.16






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