奇祭前夜を駆け抜けろ



すこし早いけど荒船誕生日おめでとう
全てを通してギャグ注意






「荒船くんの誕生日に向けて、村上くんが張り切ってるみたいなの。」
「なにするんだろうね」
「皆には秘密みたい。」
倫ちゃんがキャラメルの入った小さなポーチを空けて、ひとつ食べる。
もう一個取り出したかと思えば、私にもキャラメルをくれた。
「倫ちゃんは何か用意してるの?」
キャラメルを口に放りこんで、誕生日のことを聞く。
「食べれる粘土で荒船オブザイヤーバースデーケーキを作るわ。」
どこから見つけてくるのか分からない代物を調達するのも、倫ちゃんのセンス。
粘土細工とお菓子が混ざった芸術的なケーキを想像して、楽しい誕生日になりそうだと胸を躍らせる。
「斬新だねえ」
色取り取りのケーキを受け取り、困惑する哲次くん。
見た感じは粘土であるそれを食べて、美味しさに驚く顔。
度肝を抜かれても、かっこいい顔をしているんだろう。
「そういうなまえは何かするの?」
倫ちゃんに聞かれ、素直に答える。
「プレゼントくらいはしようかなって」
大好きな人の顔を思い浮かべて、何をプレゼントしようか考えた。
せっかくあげるのなら、お揃いのものや使えるものがいい。
分かりやすすぎる服をあげても、使ってもらえるかどうか。
進学校は規則も厳しいから、アクセサリーは普段身につけられない。
狭まる選択肢の中から選ぶ私に、倫ちゃんが面白半分に合いの手のような声をかけた。
「いよっ!彼女!」
それから何かを思い出したように携帯を弄る。
携帯を弄る倫ちゃんの顔がにやにやと笑っては不敵な笑みに変わるのを見て、とんでもないことが裏で動いてると知った。
私に携帯を差し出した倫ちゃんが、敵同士で世界の裏側に隠された秘密を共有するように笑う。
「荒船くんに誕生サプライズしようと思うんだけど、これ見て。」
にんまりと笑う倫ちゃんが差し出した携帯に、不安を覚える。
よくないことを考えているときの笑顔は、面白いくらい可愛い。
倫ちゃんは私にキャラメル柄のケースに入った携帯を差し出すと、思い出し笑いをした。
「歌詞わかんないからメールしといてって言ったらこれよ!あー、面白い。」
メール、と聞いて察する。
差出人は、穂刈くん。
傷ひとつない倫ちゃんの携帯の画面には、メールにびっしりと文字が書かれている。
穂刈くんのメールといえば、色々と察するべきことがあったから、覚悟して携帯を見た。
メール画面には「はっぴーあらふね 花束♪(⌒ー⌒)o∠★:゚*' 作詞 ポカリ
(^▽^ノ)ばーすでーはっぴー Let It sniper おーるうぇいず哲次 Let It sniper
Let It sniper おんみつ行動あんみつ感動放課後PONPON弾丸おデート(#⌒∇⌒#)ゞ The Nights fucking everyday
クソ生意気小生意気生意気生菓子生ビールの向こうのそれって生意気ぷるっと冷奴☆Let It sniper Movie Walker
放課後BANGBANG抜刀さボリーおーるらうんでぃ☆チラ見せ大胸筋サポーター○ ̄□ ̄)=○
アクションうぃんうぃんスナイプうぇいうぇいSon of a bitch一汗(>▽<;;かいたら
おこのみはっぴーサマーデイ☆ぱーかっしょんfucking coolアポなし」以降の行は読まなかった。
呼吸が緩やかに止まりそうな文章を見て、眩暈を感じて画面から目を離す。
差出人は穂刈くん、そしてこのセンス。
ケースも綺麗な倫ちゃんの携帯を見て、何も見なかったことにしてメール画面を引き千切り携帯を遠くに投げたくなる衝動を抑えた。
「これ誰が歌うの」
「作詞した本人。」
ぞっとするような事実を倫ちゃんから伝えられ、つい煽った。
お祭りが好きな穂刈くんが考えただけあって、気合の入り方が違う。
「やるなら作戦会議室じゃなくてラウンジかロビーでやってね」
「言われなくても、そのつもりだよ。」
「穂刈くん、今月どころか今年のMVPになりそうだね」
「まあ、それ狙うよね。」
今年の隊員MVPに輝いた隊員がいるチームには特別ポイントが加算される、わけでもない。
面白そうなのは間違いないので、黙ってメールを消す真似はしなかった。
携帯を返して頭痛のする歌詞を思い出し、どうやって披露するのか聞く。
「アカペラ?」
「後ろで半崎くんがタンバリン叩く。」
「あの歌詞で穂刈くんが歌うなら、破壊する用のベースあったほうがいいよね」
「前衛極まりない破壊芸術だね、太鼓とか要るかな?あとドラムも。」
「撮影記録係やりたい」
「どうぞ、ついでに映像はちょうだい。」
伸びる飴みたく口元を歪ませて笑った倫ちゃんが、早くも想像して笑う。
一体どんなことになるのか、今から楽しみだ。
お祭り大好きな穂刈くんの勢いに消されてしまわないように、最低限記憶に残るプレゼントをしなければ。
張り切っているという村上くんも、皆楽しみにしているはず。
お揃いのものでも買えたらいいと思いつつ、キャラメルを頬張り摩子ちゃんを待つ倫ちゃんに別れを告げて哲次くんを迎えに行った。

「なまえ、いい匂いがする。」
「倫ちゃんからキャラメル貰った」
歩きながら食べる私の額をつついて、哲次くんが笑う。
「キャラメルは噛むなよ、歯にくっつく。」
「舐めてると舌が疲れない?」
「歯にくっつくと虫歯になるぞ。」
「それは嫌」
個人戦ブースからラウンジに行くまでの、すこし長い道のりには自動販売機がある。
立ち止まり、自動販売機にお金を入れて迷わずお茶のボタンを押す。
お茶が好きな哲次くんは、毎回ここでお茶を選ぶ。
それを見て、私もここで買うときはお茶を選んでは哲次くんに渡すようになった。
音を立てて落ちてきたお茶を取るべく、取り出し口に手をやったところで気づいた。
いつもと変わらないはずのお茶の大きさが、何故か違うのだ。
不自然に思いながらも取り出し口に手を入れお茶を掴み、その違和感の正体に気づく。
「みてみて哲次くん」
お茶を引っ張り、ペットボトルに巻きついたそれを見て笑みを浮かべた。
「うわー!当たりだ、ぬいぐるみついてる」
おまけのついたお茶を握り、子供のように喜んだ。
ぬいぐるみひとつで騒ぐ私を見て、哲次くんが笑う。
「なまえは運がいいな。」
哲次くんがそう言うので、私は運がいいのだろう。
お茶のおまけとしてついてきたぬいぐるみは、犬のぬいぐるみだった。
赤い首輪をつけた茶色と黒色の毛をした犬のぬいぐるみを手にして、触る。
「犬だ、猫と熊の種類もあるんだって」
ぬいぐるみのタグについた説明を見て、他の種類もあることを知った。
猫と熊、それにうさぎと亀とペンギンもいる。
ペットボトルと犬のぬいぐるみを離し、お茶を哲次くんに渡す。
いつもなら構わずお茶の蓋を開けて一人先にみ始める哲次くんが、何故かぬいぐるみを見たまま動かない。
もしかして、哲次くんもぬいぐるみを弄りたいのだろうか。
ぬいぐるみの短い腕を持って、腹話術のようにぬいぐるみ越しに話しかけた。
「わんわん!」
犬の真似をして、引き続き話しかけるつもりでいた。
ぬいぐるみがあるのだから、これで遊びたい。
私が犬の真似をした途端、哲次くんが全速力で走り始めた。
途中でお茶のペットボトルを落とし、すごい勢いで離れていく。
「えっ」
転がるお茶を拾い、運よく手に入れたぬいぐるみを持ったまま哲次くんを追いかけた。
「哲次くん!?どうしたの!?」
信じられない勢いで走り去る哲次くんに必死で声をかけると、怒鳴り声で返された。
「忘れ物をした!!!」
そう叫ぶ哲次くんが走る方向は、先ほどまでいた訓練室でもなければラウンジの方向でもない。
わけがわからず追いかけているうちに、哲次くんが一度こちらを見た。
走る足を止めるわけでもなく、どんどん離れていく。
あの方向には、二階と三階への階段と出口とトイレしかない。
一体、どこに何を忘れたというのだろう。
追いつけない速度で去る哲次くんを追いかけると、更に速度を上げられた。
「そっちは違うよ!どこに何を忘れたの!?」
「それも忘れた!」
心配になるようなことを言って、通路を走りぬける。
走り去る哲次くんを追いかけ、なんとか叫び返す。
「どこに行くの!?お茶冷えちゃうよ!!」
追いつけそうにない距離に、どんどん冷や汗が垂れる。
一体、なにをしてしまったんだろう。
ここまで逃げ足の早い哲次くんは見たことがなかった。
あの角を曲がれば、階段に当たる。
この早さの哲次くんを見失えば追いかけられない、そう思った矢先に階段から降りてきた人と哲次くんが衝突した。
ぶつかった人が痛いと叫んで立ち尽くし、哲次くんが吹き飛んでその場に蹲る。
壁際にまで飛んだ哲次くんを、ぶつかった人が呆然として見つめた。
全員、状況が飲み込めていない。
見ていて軽く叫びたくなるような状況だったけれど、哲次くんの足は止まった。

ぶつかった人と哲次くんに駆け寄り、怪我をしていないか確認する。
運悪く哲次くんと衝突したのは、米屋くんだった。
カチューシャをした頭を押さえて呻いている。
哲次くんは被っていた帽子を近くに落とし、お腹を押さえたまま膝をついて床に転がっていた。
「怪我してない?」
お茶とぬいぐるみを手に駆け寄った私を見て、哲次くんが思い切り足を引いた。
哲次くんが頭を壁にぶつけ、ゴンと良い音がする。
珍しく帽子を被っていない頭のまま壁に酷くぶつけて、彼らしくない呻きをして縮こまった様子と、私を交互に見た米屋くんが笑い出した。
転がって動かない哲次くんは、米屋くんの笑い声を聞いても反応しない。
相当まずい状況なんじゃないかと焦って近寄ると、米屋くんはもっと笑った。
哲次くんは、転がったまま動こうとしない。
「なまえ、それマジでやってんの?」
「え?」
米屋くんが、お茶とぬいぐるみを手に哲次くんに寄り添う私を見て、爆弾が当たったかのように笑い出した。
いつもならうるさいと一喝しそうな哲次くんは動かず、事が読めない私は呆然とする。
近くに落ちた帽子を拾い、動きもせず顔も上げない哲次くんを心配している私に、米屋くんが告げた。
「いきなり走られて」
「そりゃあな!そうだろうな!」
「え?」
転がり蹲る哲次くんは、不謹慎なまでに笑う米屋くんを咎めようともしない。
ひとつわかることは、米屋くんが事情を解決するヒントを知っていそうだということ。
米屋くんに詰め寄ると、笑われた。
「おいおい、なまえ知らなかったの?荒船さんは犬が怖いんだよ!」
爆笑する米屋くんと、自分の手にあるものを見てようやく事態を飲みこむ。
こんなに可愛いのに何故、と言いたいけれど、誰だって苦手なものはある。
「そうなの!?」
馬鹿にできず、驚くしかなかった。
雰囲気だけなら、ドーベルマンを躾けて飼っていそうなのに。
イメージだけが先行していた自分の頭に鞭を打ちたい。
笑い終えた米屋くんが、哲次くんを気にかける。
「医務室の人、呼びます?」
驚く私をよそに、米屋くんが転がって動かない哲次くんに手を差し伸べた。
「立てますか?」
米屋くんの手を取るどころか、気づいてすらいない。
気づいていたとしても、動く気力すらないようだ。
今まで見たこともない哲次くんの憔悴っぷりに、やってしまったことの重大さに気づく。
「おいおい、情けないっすね荒船さん!ほんとに平気ですか?」
哲次くんが俯いたまま僅かに肩を動かして、ゴーサインのような手をする。
まったくもってゴーな感じはしない哲次くんが痛々しく喋り、米屋くんの顔も見ずに答えた。
「時間を取らせたな、平気だ。」
うろたえる私と沈みかけの哲次くんに、米屋くんが今一度確認した。
「真面目に担架なくていいんすか?」
「心配するな。」
「ほんとにいいんすかー?」
「平気だ。」
「あっそ、じゃあ後なまえよろしくな。」
平静を言い切る哲次くんに手を振り、米屋くんは笑いながら去っていった。
私達が来た方向へ行くということは個人戦目当てだろう。
俯きながらも起き上がった哲次くんは、私のことも去っていく米屋くんのことも見ようとしない。
弱々しく息を整える哲次くんに、聞いてみた。

「米屋くんが言ったこと、本当?」
震えながら頷く哲次くんを見て、眩暈がする。
倫ちゃんは、あんなに楽しそうに誕生日の計画をしていた。
穂刈くんだって出来は置いておいても、哲次くんのために楽しそうなことを考えている。
皆、哲次くんのことをわかっているから、楽しいことができるのに。
私は犬が怖いということも知らずに、怖い思いをさせてしまった。
「ごめんね、哲次くん」
俯き、自信がどこかに消える。
目を伏せるたびに、私の中で寂しい思いが増幅した。
「哲次くんの苦手なものも知らないなんて、彼女失格だよね」
怖がらせてしまうようなことをする友達も彼女も、きっといらない。
しょぼくれていると、哲次くんが助け舟を出してくれた。
「いや、そんなことはない。」
ようやく喋った哲次くんが、上半身を起こして私と向き合う。
見上げると、眉間にこれでもかと皺を寄せて口元を歪ませ、血走った目を開いている哲次くんがいた。
怖い顔をした哲次くんが、私を慰める。
「失格だなんて、とんでもない、俺を全力で走らせることがっできる女を手放すわけにはいかっ、いかない。」
犬のぬいぐるみを見るたびに、哲次くんの喉が締まる。
喉仏が動いてはひっこんで、息を飲んでは吐き出す。
引きつる頬で笑う哲次くんが、怖い。
言われている内容はロマンチックかもしれないと薄ら寒く思えるくらいには、顔が怖かった。
腹痛と頭痛と全身の痛みに耐えるような顔をした哲次くんが、続ける。
「い、犬が苦手とかっ、なまえに言ってなっなっいから気にしないでくれ。」
怖い顔を目の前にして動けない私に、筋肉の隙間から出るような上擦った声が語りかける。
歯の痛みを我慢して演技をする役者のような顔をした哲次くんが、震える手で私の肩を掴んだ。
「全然!怖くない!しっいいっぽとか可愛いとおっもう!」
ガタガタを震える歯の間から、哲次くんの声が聞こえる。
顔は別人のように強張って歪み、いつもの冷静さはどこかに消えていた。
ここまで犬を怖がる理由を、私は知らない。
だけど、ここまで怖いのだから理由なんか知らなくていい気がした。
哲次くんの額を、汗が流れる。
今にも砕けそうな歯と凄く怖い顔を見て、私はとんでもないことをしたと確信した。
ぬいぐるみを持つ手を自分のほうに寄せて、なるべく哲次くんから犬を引き離す。
「なまえが持つなら、ほら、それ全然怖くないし可愛いしっ怖くないっ!!たとえなまえが犬でも可愛いから俺は平気!!」
上擦った声でそう言われ、もう駄目だと確信する。
言われていることは素敵なことだけど、それを言う彼の恐ろしい顔。
歯と手は震えているし、それを抑えるように振舞う哲次くんがあまりにも怖かった。
笑顔が消え去る自らの表情筋に鞭を打つのをやめて、ぬいぐるみを持つ手だけに意識を宿す。
血走った目で私を見つめる哲次くんに、これ以上ない申し訳なさを感じた。
ぬいぐるみは可愛いけれど、それじゃ済まない。
肩にある手をゆっくりと離し、手に持つぬいぐるみを今一度見て、哲次くんに聞いた。
「これ、仕舞おうか?」
「ああ、そうしてくれ。」
胸元に突っ込む形でシャツの中にぬいぐるみを仕舞い、哲次くんにお茶を差しだす。
走ったおかげでシェイクされ上のほうが泡立っているけれど、仕方ない。
「はい、お茶」
汗だくの哲次くんにお茶を渡すと、ようやく震えの止まった手で受け取ってくれた。
「ありがとう。」
犬のぬいぐるみが見えない今は、いつもの哲次くん。
かっこいい顔の裏側に、あの怖い顔があるのかと思うと、私まで冷や汗が止まらなくなる。
哲次くんの汗まみれの額に、自分のハンカチを当てた。
吸い込まれていく汗の感覚を指先で感じ取って、哲次くんの額から首を丁寧に拭く。
「汗すごい、拭いてあげる」
「悪いな、世話になるとしよう。」
犬のぬいぐるみが視界から消えた哲次くんが、鍛えられた首を私に向けてくれた。
シェイクされて泡立ったお茶を飲んで喉を潤す哲次くんに、謝る。
「ほんとにごめんね、でも、知らなかったらお揃いの犬の鞄とか買ってたかも」
「気にするな、なまえに非はない。」
一口、二口と飲むたびに減っていくお茶を見つめながら、反省した。
知らなかったとはいえ、怖い思いをさせてしまい申し訳なくなる。
お茶を飲む哲次くんが立ち上がり、髪をかき上げた。
筋肉質な腕が動いて、お茶を飲むために喉が動いて、それから私に聞く。
「買うってなんだ?」
「え、ああ、なんでもない」
話を逸らし、しゃがみこんでいた身体を起こして立ち上がり、怖い顔で言われたことを思い出す。
たとえなまえが犬でも可愛いから俺は平気、哲次くんはそう言った。
遠まわしに可愛いと言われただけなのに、私の胸は高鳴る。
こんなことをしてしまっても殴られもせず嫌われもせず可愛いと言われたのなら、自信を持って誕生日を祝える気がした。
「走って疲れたでしょ、二階で休もう」
スカートの皺を直してから、微笑む。
階段を降りるために手を握ると、哲次くんに手を握り返された。
手汗まみれの不安定な手が私を掴む。
私をじっと見たかと思えば、手を握ったまま後ろに引かれた。
傍から見れば、腰を入れて私を引こうとしているように見える。
何かと思う哲次くんは、焦りの見える目をした。
「なまえの胸にある犬を、念力で飛ばせるようになるまで鍛える。」
数日後には誕生日を迎えるという哲次くんは遠すぎる目標を抱え、ある一種の意味で頼もしく見える。
そんな彼が大好きで、胸に犬のぬいぐるみがあることも忘れて思わず抱きつくと、震える手で抱きしめ返された。







2015.09.05





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