子狼の御守






いけすかないのは、どっちだろう。
馬鹿みたいな金持ち、といえば通じるだろうか。
そんな家系の方なのだ、権力者で、偉そうで、なにかと口を出しては権力に権力をくっつけている。
あなたは尊くんのお父さんの妾になるのよ。
孤児院から引き取ってくれた義母にそう言われた。
フレンチ料理店で両家族が対面したのが、学生の尊くんとの初対面。
年下の学生の男の子で、育ちが良さそうだった。
しきたりとか本家とか分家とか、よくわからない。
ただ、私の目と尊くんの目は、お互いを捉えていただけのこと。
妾にはなってない。
つまりは、そういうことだ、そうして、私と尊くんは。

私には男の子にしか見えない彼は、戦うらしい。
あのボーダーの一番強いチームにいるとのことだ。
それがどれだけの努力と才能を問うものなのかわからないけれど、私には尊くんは普通の男の子に見えた。
すこし偉そう、それは家がお金持ちだから。
弱々しい、それは相手に一歩引いてかかる育ちのよさが、そうさせている。
だからこそ、愛しい。
そういう思いがベッドで爆発する。
お風呂に一緒に入れば、さわりっこくらいはしてしまう。
快感に押されて喘ぎ気味になっている顔も、汗で髪が張り付いた頬も。
「なまえさん、なまえさん、なまえさんっ・・・。」
はあはあ、と少年が汗を垂らす。
耐えるような、縋るような、乞うような顔。
尊くんが快感に耐えているときの、一番好きな顔。
ぎし、ぎし、と軋むたびに私のおっぱいが揺れる。
尊くんはおっぱいが好きなお年頃。
激しくピストン運動をするたび揺れるのでおっぱいを押さえるように手を前に向ける。
ように見せかけて手を尊くんの腹に置いて、思い切り腰を動かす。
下品で卑猥な音が、結合部からする。
「なまえさん、あ、あっ、はあ、あっ、あ、あ、なまえさん、あ、あ、あ。」
尊くんの太ももと私の尻から太ももにかけ触れるたびに、ぱちゅんぱちゅんと音がする。
汗ばんだ足が、滲んで溶けそう。
尊くんの、若い体のぶつかりあいだ。
私はと言うと、尊より年上。
可愛いと思う気持ち半分、母性本能を刺激され、子宮も腰も頭もきゅーっとして、ぼうっとする。
まだ子供じゃないかと言える年齢の尊くんは、こういう時だけ男の子の顔になる。
騎乗位で見れる、快感に慣れていない尊の顔。
赤い頬、額の汗、おしり、ふともも、結合部とおっぱいと私の顔に釘付けになる目。
尊くんが私のおっぱいを鷲づかみにして、両手でも零れそうな質量を揺らした。
体勢を前に倒し、尊くんの顔の上でおっぱいが揺れるような体勢になってから腰を振る。
そのおっぱいを掴んで、吸って、舐めて、甘く噛んで、おっぱいに埋もれているうちに、膣内のペニスも震えた。
「あっ、いく。」
尊くんが声を震わせそう言ったあと、膣内でペニスが動いた気がした。
私の中、正確にはコンドームの中に射精した。
萎えるペニスを膣内に治め、熱が引くのを待ってから腰を上げた。
萎えるわけでもなく、すぐ硬度を取り戻したのを感じて腰を動かす。
「あっ、ああ!」
射精したばかりのペニスは、敏感なのだ。
クリトリスよりは下でも、ずっとずっと過敏になっている。
騎乗のまま責め立て、腰を動かした。
ぬちぬちと細かく音がしては、尊くんの腰が震える。
私が上になると、私が尊くんを襲ってるような気分になってしまう。
それも、私が年上であることの醍醐味ではなかろうか。
膣内を締め付け、腰を落としては揺らし、上げて締める。
「なまえさん、気持ちいい、あ、あ、あ、あっ。」
尻の汗が垂れて、結合部に落ちる。
尊くんが私のおっぱいをぎゅーっと握り締めて、はあはあ喘ぐ。
「なまえさん、なまえさんっ!すきっ!すきっ!ああっああああ!」
ペニスがまた震えた。
射精の快感に耐える尊くんの顔の上におっぱいを置く。
鷲鼻が、めりこんでいくのを感じた。
すぐに舌の感覚があって、嘗め回される。
コンドームの先が、膣内で脹らみになっているのを感じた。
腰を揺らすと中でペニスにワンクッション置くように何かがある。
たくさん出したのだろう。
若いと、何度でも勃起する。
膣口にたるんとしたものが触れて落ちたと思えば、精液で脹らんだコンドームだった。
尊くんの額にキスして、微笑む。
サラサラの髪に指を入れてキスをすれば、尊くんが抱きついてくれる。
「気持ちよかった」
快感の波に押されきった尊くんは、使用済みのコンドームを慣れた手つきで捨て、汗とよだれのようなものを垂らして放心していた。
疲れたから小休止、の間は、私が尊くんを撫でてあげる。
年上だもの、優しくするわ。
「なまえさん、すごい・・・。」
「そう?」
「昨日フレンチを綺麗に食べていたなまえさんとは別人のようで・・・。」
ふふふ、と笑った。
魔性の女に見えているのだろう、私はただの女の子。
まあ、女の子って歳は、そろそろ終わりかなってくらい。
まだ疲れているだろうに、尊くんが真剣な顔をして起き上がり、私にキスした。
鷲鼻の人とのキスは、達成感みたいなものがある。
映画のようなキス、私はそう呼んでいる。
尊くんの手が私の股に伸びてきたのを見て、抱きしめて囁く。
「尊くん、してくれるの?」
頷いた可愛い尊くんを股に招きいれ、足を開く。
クンニリングスの体勢は、恥ずかしいから好きじゃない。
それでも、大好きな人のためなら、と開いた。
汗をかいて色っぽくなった尊くんが、私の股に移動する。
顔を近づけて、舐めた。
膣口からクリトリスまで舐めたあと、クリトリスを甘く噛んで吸う。
神経質そうな、あの指が中に入って探る。
中で動いている間も丁寧に噛んでは吸われ、腰が揺れた。
尊くんの厚い舌が、クリトリスを舐める。
下品な音はしなくても、背筋から頭に走る電流は心地いいものだった。
きっと、私にも気持ちよくなってもらいたいのだろう。
私は、尊くんと抱き合いたい。
気持ちいいよと告げて、私が尊くんに跨った。
キスをするたび、尊くんの鷲鼻にもキスをする。
額に、尊くんのサラサラの髪が触れて、気持ちいい。
キスをするたび、体が触れ合う。
こんな体で、戦っているんだというから驚きだ。
触れ合う体は何を言わなくても、受け入れる体勢になる。
私にキスをしつつ、棚を漁る。
「ゴム、このへんに。」
使ってしまって、とっくにないはずだ。
ゴムを探す尊くんを見て、愛しくなる。
年下の彼なりに、わからないことだらけの中で、一生懸命になってる。
「尊くん」
尊くんにキスして、抱きしめる。
おっぱいに埋もれる尊くんが、私の性器を触ってきた。
やることだけは、一人前だ。
「尊くん上手だから、私、もう・・・ゴムいらないよ」
途端に、尊くんの顔がかーっと赤くなる。
赤面したあと、頭をぶんぶんと振った。
「だめです、なまえさん、コンドームをつけてすると教わりました!」
ああ、やっぱり、男の子だ。
尊くんを抱きしめて、キスをする。
「セックスって、もともとは子孫繁栄のためのものでしょ?ゴムなんてないほうがいいの」
抱きしめたまま微笑んで、勃起したそれを手で撫でる。
年上の女に懐柔される男の子、好き同士なら問題ない。
意を決したような尊くんが、私の唇にキスをすると、鼻先が頬に当たった。
「なまえさん、うつぶせに。」
うつぶせになり、尻を上げる。
すぐに、熱いものが挿入され、ぬるぬると私の中に飲み込まれていった。
尊くんもコンドームありとなしの感覚の差に気づいたようで、息を飲む音が聞こえる。
ぬるぬる、と熱さが伝わる体内が蠢く。
コンドームなんて、必要ないのだ。
子供はいらない、でも体は欲しい、そんな身勝手なセックスは、長く続けたくないのだ。
体の、一番恥ずかしいところが恥ずかしいことになる、愛がないとできない触れあい。
それを防いでどうするのだと思っていた。
息を詰まらせ、喘ぎそうになっている尊くんが覆いかぶさる。
肩甲骨のあたりに、尊くんのサラサラした毛先がついた。
夢中で腰を振っているようで、尊くんから言葉は漏れない。
行為の終わりのほうでコンドームの擦れが痛いことがあるけれど、それがない。
求めるそこが愛液で濡れて溢れ、気持ちがいい。
気分よくできそうだと思い、尻を振った時だ。
どこにも触れていない、強いて言えば挿入されているだけなのに、快感が襲った。
足先が丸まり、腰が跳ねる。
「ああ、なまえさん、きましたか?」
私の様子に気づいた尊くんが、肩にキスをしてから私の顔を伺う。
今まで、ゴムがあった。
ピストン運動のときも、奥を刺激するような腰つきだった。
ゴムがないだけで、こんなふうになるわけない。
「なまえさん、気持ちいいんですか、今のところ。」
奥。
尊くんが狙っているのは、奥だ。
腰を動かして、ペニスの先であろうものが奥を揺らすように突く。
そのたびに体が跳ね、押さえ込んでいても腰が止まらない。
絶頂を得てきかなくなったような腰の痙攣の後、涎がシーツに滲む。
それよりも、きましたか、と聞いたということは、なんなのかを尊くんは知っている。
「は、ひあっ」
「なまえさん、気持ちいいんですね。」
ペニスの先で子宮を揺らされるように突かれると、声が漏れた。
ぼうっとする頭で、思い出す。
ここはなんだ。
そうだ、覚えている、関係ないと思って忘れていた。
ポルチオだ。
「んあ、ひあ、たけゆく、たけゆくう」
呂律が回らない。
その状態の私を、更に攻めたてる。
突かれるたびに絶頂のような快感が腹の底から破裂していく。
おなかがきゅうっと締まり、足が震える。
「きゃあああああ!?」
奥を突かれるたび、身体の底から快感が爆発した。
「ここですね。」
尊くんが、得意気に奥を突く。
びりびりと絶頂が腹の底を縫い付けるように、締める。
関節が震える私を抱きしめたまま、動く。
「わかりますか?ゴムつけてしてる間、純粋な気持ちで開発してました、なまえさんの一番恥ずかしいところ。」
「ひあ、あ、あ、あ」
「女性は、ここで感じる快感が一番凄いそうです。」
年上の女になんてこと言うんだ。
そう言いたくても、気持ちよすぎて何も喋れない。
必死で尊くんを抱きしめて、意識を保つ。
「時間はかかったけど、よかった・・・なまえさん気持ちいい?」
突かれるたび、動かされるたび、膣をずるずると動くたびに、腰が痙攣する。
生理的な涙が溢れて、腰の動きが止まらない。
「きもちいっ・・・きもちいよっ、たけ、たけゆくう・・・」
挿入されたまま腰を振るなんて姿、見せたくなかった。
彼よりもお姉さんなのに、リードしなきゃいけないのに。
年上の女であることを気にさせないくらい、リードしているつもりだったのに、狩られた気分だ。
結局は、男の子なんだと実感する。
足を大きく開かされ、尊くんの膝の上に腰を乗せられる。
奥まで押し込まれるような体位に、嬌声が飛び出した。
ペニスで押されて揺らされるたびに、絶頂と切羽詰った快感を同時に混ぜたような快感が襲う。
子宮が快感の締め付けをしているのがわかって、仰け反る。
腰をしっかり掴んだ尊くんが、突きはじめた。
下品な水音は、しない。
「あっ、ああああああああああああああああああ!?」
飛びそうな意識の端、尊くんの声がする。
腰が震えて、挿入されたものが抜けてしまいそうで怖くて、自ら腰を押し付ける。
抜けてしまわないように尻を振って強請っていたら、尊くんにお腹を撫でられた。
「ここ、開発していきましょう。」
涙と涎まみれのだらしない顔のまま、尊くんに懇願する。
「たけゆ、くん・・・なんでこんらことするの・・・・」
奥が、からだが、私の知らないところが、快感で叫びっぱなしになってる。
気持ちよくてたまらない。
大好きな人に、こんな風にされているなんて、幸せなことこの上ない。
けれど、行き過ぎている、快感の度合いがこんなにすごいなんて、聞いてない、知らない。
尊くんが、快感でぐちゃぐちゃの私を抱きしめる。
「まだ16ですけど、なまえさんには唯我なまえになってもらうんですから。」
私にキスをした舌の動きだけで、くらくらした。
「しるし、つけていいですよね。」
尊くんが、私の首と胸元にキスマークをつける。
年下といえど、尊くんは男だった。







2015.07.23





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