恋人達の朝





ぽん子さんリクエスト
・ちょっと黒いナナバさんと恥ずかしがり屋の夢主でラブラブいちゃいちゃ





舐めあった舌を口腔に収めると、唾液の味がした。
唾液は、普段味なんて感じない。
ということは、この唾液はナナバのものなのだろう。
喉を鳴らすと喉奥に唾液が落ちていった。
私の後頭部を優しく撫でて、喉元を曝け出す。
「舌を出してごらん。」
ナナバの綺麗な瞳と睫毛がすぐ見える距離、胸が触れ合って柔らかい。
柔らかい胸、固くなった乳房の先、触れ合うだけで温度が伝わり肉の汗が首から滴る。
汗は、滴って、伝って、背中の窪みや身体の線をなぞるように落ちていく。
白い肌は透き通るように、皮膚の下にある筋肉は薄い色で覆われていて見えない。
「嫌なの?」
舌を出さずにナナバを見つめていると、得意の微笑みを浮かべた。
いたずらのような行為をしたくて、たまらないのだ。
ナナバのこういう顔も、大好き。
「恥ずかしい」
「私しか見てないよ、恥ずかしくない。」
シーツに手をついて私の顔を覆うようなキスをする。
音もしない、上品なキス。
細くてきらきらした金髪が私のおでこにかかって、くすぐったくもあった。
口を離したナナバは、私が舌を出すのを待っていた。
唇にナナバの指が触れて、唇をきゅっと結ぶ。
「やだ、顔へんになっちゃう」
「なまえの変な顔も見たい。」
優しいキス、温かいキス、私が言う事を聞いてくれるまで何度もキスをする。
そうされると、頭が熱くなってきて、それから言う事を聞く。
ナナバに向かって、舌を出した。
唾液でぬとぬとした舌は熱を持っていて、喉の奥も丸見えだ。
「変な顔じゃないよ、すっごくそそる。」
ナナバの白い足が、私の股を割る。
ふとももに、愛液がついた。
「なまえが舌をべーってするとね、目の光が溶けるんだ、それから長い睫毛がはっきり見える。」
指で眉毛をなぞって、キス。
ナナバの手が、糸ひとつない下半身に伸びてきた。
「喉の奥が見えそうで見えないんだよ。」
指先が性器に触れて腰を揺らすと、舌を出したままキスをされた。
舌をしゃぶられ、舌の裏をずりずりと刺激され、子宮が疼く。
「なまえ、感じてるの?」
動く腰の奥を、ふとももで擦る。
ナナバの太ももは、私の愛液で濡れている。
何度も絡ませて擦り合わせたそこを、目で追う。
「したいんだ。」
誘うように、それでいて不敵に、挑発するように微笑んでくれる。
愛のある虐めは、溶かせば快感になっていく。
ナナバとは、いつもそうだ。
「キスもいいけど、そろそろ」
「ん、そう。」
抱きしめられたまま、寝転んだ。
シーツが冷たい。
放りだした指先には、ナナバの愛液が乾いてついていた。
舐めれば、ナナバの味がする。
今は朝。
唾液が残っても、そろそろ起きないといけない。
白い肢体が、カーテンの隙間から漏れる僅かな光に照らされた。
そのときのナナバの美しいこと、美しいこと。
「好き」
思わずそういってしまうくらい、好き。
「好きって、どれが?」
ナナバが手を下半身に伸ばし、まだやる気があることを伝える。
指先は、一番敏感な場所をつつく。
私の顔がどんどん赤くなるのを見て、ナナバはまた微笑む。
「ここ、好き?」
「うん、好きぃ」
「舐めるとすぐ猫みたくなるもんね。」
「恥ずかしい」
言葉でなにかするつもりかと思えば、指先の動きが緩くなる。
膨らんだそこに、ナナバの指が絡みつく。
じわじわした快感が、腰を滑らせる。
顔を覆うと、外からどこかの班員が起きたような音がした。
いくらなんでも、そろそろおしまい。
起きて、いつもどおり、ナナバと恋人だということは察されないようにして、過ごす。
靴の音がして、ナナバは起き上がった。
「もう、仕方ないなあ、いじめない。」
「ひ、人前では、しないでね、こういうこと」
「そりゃあ、しないよ。」
シーツの上で丸くなる私に、目配せする。
「皆には内緒?それとも、皆に知らせたい?」
できればやめて頂きたい提案に首を振ると、ナナバは使い古したタオルで性器を拭き、下着を履き始めた。
「私はいいけどね、恋人。なまえみたいな魅力的な子の笑顔が見れるから。」
起き上がって、同じようにタオルで性器を拭く。
「皆が食堂でご飯食べてるとき、すぐ裏にある倉庫でしようか。」
「えっ」
「見られるかもしれないって、いいと思わない?もちろん、なまえの顔の話」
「やだよ、ナナバだけに見られたいもん」
タオルに吸い込まれていった愛液も唾液も、愛の証拠ではある。
指輪とか、花束とか、そういうのも愛の証拠。
「してる最中に焦るなまえの顔、見て見たいな。」
「ナナバのえっち」
この狭い兵舎では指輪はないけど、こういう愛の証拠なら残せる。
それでも、愛の証拠から産まれるものは、ない。
「女同士だから」
ぽつんとそう言うと、服を着たナナバに背中を叩かれた。
振り向くと、いつものナナバ。
にんまりした口元と、きりっとした目つき。
私の大好きな、ナナバ。
「それくらいしか言うことないんでしょう?やめやめ、私となまえは恋人ってだけでいいの。」
恋人。
その言葉を聞いて、力なく笑う。
幸せで、泣きそうで、火照った体からは涙が出そうになる。
「なまえ、可愛い。」
火照った私に、ナナバが軽くキスをしてくれた。
大好きな人が側にいる。
それだけでも満たされると教えてくれたナナバ。
「ナナバ綺麗」
本音を伝えてみると、すこし驚かれた。
「私の真似?」
ふふふ、と笑い、服を着た。
ベルトを巻くナナバは、今日も性の匂いを感じさせない笑顔を見せる。
「まあいいや、なまえ、可愛いから。」
「ナナバ、首筋にキスマークつけたりしてないよね」
「うん、たぶん」
恥ずかしがる私に抱きつき、耳元で「ついてる」と囁いたナナバを、着のままで追い掛け回した。







2015.06.23







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