健全異性交遊童貞処女




小津さんリクエスト
・マルコで甘夢






遠くのほうから、皆の雑談が聞こえる。
夕食の時間は年頃らしく騒がしい。
笑う声、ふざけあう音、冗談もたまに聞こえてくる。
マルコの舌が、ぬちゃという水っぽい音を出して私の脛を舐めた。
先ほどマルコのものを咥えた際に胸にかかった精液のことは、あとで考えよう。
鼻につく精液の香りなんて嗅ぎ慣れた、と言ってみたい。
「ジャンが言ってたよ、黒髪が好きだって」
「そうなんだ。」
自分の毛先を見つめてから、脛のあたりに顔を寄せるマルコを見つめる。
黒髪でそばかす、人の良さそうな顔。
とても、こんなことをするような人には見えない。
背徳感が渦巻く心の中に、ぽつんと置かれた愛は冷める気配もなく熱を帯びていた。
「マルコは?」
「なまえちゃんみたいな子が好き。」
唇を寄せて何度も膝にキスをしたあと、足を少し持ち上げて膝裏を舐める。
意外にも敏感な膝の裏に唇が触れただけで、ぞくりとした。
私が服の端を掴んだのを横目で見て、マルコはわざと丁寧に膝の裏を舐めた。
暗い倉庫の影で、素足を放り投げるように座り込んだ私に跪くマルコは、愛おしそうに私の足を舐める。
どうして足ばかり触るの、君の足が綺麗だから、そんな会話をしたことがあった気がする。
訓練をすれば筋肉がつく、足の指も傷だらけになる、人形のような足ではないのに、マルコは私の足を汚いといったことがない。
家畜の糞でも踏んだら、どうなるのだろう。
想像したら面白くなったけれど、またすぐ僅かに与えられる快感で不要な妄想は消される。
膝の裏から、膝、ゆっくりと太ももを舐めて、服の端に指を滑らせて捲る。
マルコの指先が、臍の下に触れた。
「いい?」
優しそうな目が、私を伺う。
「うん」
指が、優しく下着を下ろす。
まるで私が大切なもののように、丁寧に脱がされ、足を開かされる。
私のところに顔を埋めたマルコが、私の知らない感情をぶつけるように舌を這わせた。
恥ずかしさと気持ちよさで頭が痺れることもある。
私から見ればマルコのつむじしか見えない。
マルコからは、何が見えているのだろう。
考えたら卑しさと恥ずかしさで死にそうだ。
汗をかいている場所だから、とか、汚いんじゃないかとか、そういう問題じゃないらしい。
性器を舐めながら、マルコは時折私の顔を見る。
きっと私はだらしない顔をしているのだろう。
快感に押される、処女の顔。
私のこんな顔を見て、マルコは悲しまないのだろうか。
真剣そうな瞳の中に、男の人しか見せない性欲がある。
男の人にしかわからない性欲というものが、きっと存在して、女の私はそれがわからない。
なんにも知らない私は、偶然出会った初恋の人がこういう人だったというだけで、普通はもっと違う。
寮にいれば聞こえてくる会話と、私の体験は、まるで違う。
違うからといって、責める気にもならない。
それをすると子供ができるんだよと、私はそう教わったから、マルコの行為には安心する。
隠していても、性欲の塊。
マルコは、同期よりもそういう知識があった。
大人しそうな見た目に反して、中身は思っていた以上にしっかりしている。
私のそこを舐める舌の動きはなんなのだろう。
自分でも知らないような感覚が、与えられ続ける。
両手で顔を覆って喘ぎたい。
それをしないのが、無駄な意地なのは分かっている。
意地をまた別の感情に向けると、女は一瞬で、その人の前だけで淫猥になることができた。
片足だけ下げて、つま先でマルコの股間を探った。
膨らみを爪先で探し当て、痛くない程度に軽く踏む。
「っう、なまえちゃん、そこ、ん。」
私のそこに唇を当てたまま喋られて、思わず腰が引ける。
足で、形を確認する。
先に射精しても、また大きくなるのか、と形を足で探れば、マルコの息が荒くなるのがわかった。
熱っぽい息と、熱い舌が私のそこを這う。
「私の足だよ、痛くないよね」
ふみふみ、と根元のほうを軽く踏むと、マルコは私の一番感じるところを唇で咥えて舌先で舐めた。
私の反応を見て、マルコが笑う。
笑うマルコの唇は、濡れていた。
上半身をマルコに寄せて、濡れた唇にキスをすると、自分の匂いがした。
唇についた自分の体液を舐め取って、よくわからない味を唾液に混ぜ込んで飲む。
足を開いて、また見えるのは、マルコのつむじ。
マルコの肩に膝をおいて、いきやすくするために足を伸ばす。
ぴんと伸びた太ももを撫でられ、腰を掴まれ、知り尽くしたところの先に舌がぬるりと入った。
ただの粘膜だといえばいい、そういえば、恥ずかしさも背徳感もどこかにいってしまいそうだ。
この中に、いつかマルコのものが入るんだろうか。
ある日突然マルコの性欲が正常に暴発して、してしまうんだろうか。
「きもち、い、あ、いきそう」
奇妙な行為は、いつか終わるのだろうか。
そう考えていれば、泣きたくなるはずなのに、じんわりと広がってきた快感の前には無意味だった。
自分でするのとは違う、好きな人に与えられる感覚。
腹に力が入る、体に力が入ったのを感じ取って、マルコは気持ちいいところだけを舐めてくれた。
快感の度合いが調整できないから、目の前がちかちかする。
マルコの舌、指、吐息。
広がる腹の底の苦しさから、そこに直結しているように締まる。
私が息を止めて達すると、膨らんでいる部分にマルコは舌を押し付けた。
何度も体を蠢かせ、敏感になった腰が動く。
私の息が落ち着いてきたころ、マルコは唇を離して、親指で膨らんだところをつんつんと突いた。
「ここ、いくとき少し大きくなるんだよ。知ってた?」
「なんとなく」
マルコが、指を一本中に入れたのがわかった。
私の顔を伺っている。
痛そうにしたら、すぐやめるつもりだろう。
一本、二本と増えて、三本目を入れようとしたときに顔を顰めたら、そこでやめてくれた。
挿入された二本の指が中で動いて、手前のほうを擦る。
「このあたりわかるかな。」
根元まで入れて、第二関節あたりで折り曲げているのだろう。
押される感覚がして、指はそこを刺激しはじめた。
音も出さないように、ゆっくりとマルコの指が中で動く。
ふと耳を済ませると、食堂からふざけあっている声が聞こえた。
どうせジャンはまたエレンと喧嘩しているのだろう。
誰も、私がこうなっていることは、知らない。
マルコの指の動きが早く、深く動いて、思わず腰を引いた。
「や、ちょ、漏れそう」
私の肩をゆっくり押して、マルコが覆いかぶさった。
足を開いたまま、そこをマルコの手にまかせっきりにしている。
急に、恥ずかしさがこみ上げてきた。
寝転がって足のほうを見ると、私のそこにはいやらしく動くマルコの手がある。
「感じてるね、いいよ、体を楽にして。」
首筋と唇にキスをされて、中を刺激される。
動かされるにつれ、ぬちぬちとした音が聞こえてきた。
濡れてしまって、仕方ない。
服の端が濡れていたら、どう誤魔化そうか。
マルコは女の扱いが上手いのよ、と言うわけにもいかない。
自分の指とは違う、男の人のしっかりした長い指。
指の腹が、中を何度も、何度も刺激した。
「う、や、ふうっ」
足を伸ばして、マルコを体側に寄せた。
太ももあたりに何か大きいものが当たっている気がしたものの、マルコの指と私の性器の間に、明らかな水の感覚が現れ、驚きと共に赤面する。
つう、っと伝って尻のほうに垂れたそれに気づいて、耳まで熱くなった。
「あ!やだ、ごめん」
「いいんだよ、これで。」
「そうなの?」
ゆっくりと指が引き抜かれ、垂れたものを舐められた。
尻から太ももを、掃除するように舐める舌は、熱い。
「だってそれ、汚いよ」
「ん?ああ、汚くないよ、刺激すると出るものだから違うよ。」
「なんでそういう知識もってるの」
「なまえちゃんみたいな可愛い子がいたときに役に立つかなって。」
落ち着かせるように何度も手の平でそこを撫でられて、すこし快感から冷めてきた頭は冷静を取り戻した。
「ねえ」
「なに?」
「なんでしないの?」
今すぐしてもいいのよ、と言えるほど、私は大人ではない。
それでも、危ない背伸びがしたかった。
「なんでって、なまえちゃんが気持ち良さそうにしてる顔だけを見ていたいから。」
優しい目をした、優しそうな人はそう言った。
「しちゃったら自分のほうにも気持ちいいのがくるだろう、なまえちゃんの顔どころじゃなくなったりしたら、嫌だ。」
ぼへっとした頭に、疑問に近いものが浮かぶ。
「紳士にでもなるつもり?」
「そうかも、しれないね。」
緩めるように笑うマルコの顔は、いつも通りの優しそうな顔だった。








2014.06.17

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