※下品で色々と残念です 眠る丸井の胸元まで、そっと手を這わせてみた。 とくん、とくんと確かな鼓動を感じ、そこからあたたかな熱が広がっていく。お互いの吐息が触れ合うくらいまで距離をつめれば、緩慢な動作で丸井に抱き締められた。 静寂に包まれた室内に、シーツが擦れる音だけが響く。 「起きとったんか」 「誰かさんに起こされた」 そう言うと、丸井は笑いながら戯れのようなキスを仕掛けてきた。 おでこ、鼻先、頬、瞼、さいごに口唇。まるで、幼子をあやすようなそれ。 「俺はおまんの弟たちじゃなか」 「似たようなモンだろぃ」 仮にも恋人に対して、それはないだろうと思う。しかしそれが明け透けな挑発だということに気が付いた仁王は、ムッとした表情を引っ込める代わりにニヤリと笑ってみせた。乗らない手はない。 隙間なく身体をくっつけ舌を差し込んでやれば、丸井は待ってましたと言わんばかりにノリノリで舌を絡めてくる。息をつく暇もないくらい激しい応酬に興じ、酸欠になるまでお互いを貪り合った。 「明け方、から、俺ら何やっとるん、じゃろ」 「朝練、だりー、な」 割と直ぐに限界を迎えた二人は、どちらからともなく唇を離し仰向けになった。だらしなく両手を投げ出し、ぜえはあと大きく胸を上下させる。 5時58分、寝直すにも中途半端な時間だ。目に入った時計の時刻を見て、どうしたものかと頭を掻く。隣の丸井も考えることは同じだったらしく、どうすっかな、と器用に欠伸しながら漏らした。 「あ、」 「どしたブンちゃん」 「勃った」 「…………」 うっわお前その目マジ冷たい!マジ氷点下!マジじと目!とげらげら笑う丸井は人として大事な何かが欠如していると思う。 行ってきんしゃい、と親切にトイレの方向を指差してやった。 *** 当然その後も付き合わされます デリカシーに欠けるゴーイングマイウェイなブン太とそれに振り回される仁王(しかし満更でもない)をプッシュしたい所存 実にすいません |