3
「なんか……要るもんあったら言えよ?」
「ありがと。でも……なるべくタケルには迷惑かけないようにするから……。バイトも探して……」
「お前一人くらい、養えるっつーの。だから、しばらく……」
言いながら、亜子を抱きしめ、耳元で囁いた。
「家にいてくれよ。帰ってきて灯りがついてる家に……憧れてたからさ」
「タケル……」
嬉しくて、涙が溢れてくる。顔を上げたまま、タケルを見つめた亜子。
短くなった亜子の髪に気づいたタケルは、そっと髪を撫でる。
「髪、短くなったな」
ショートボブの亜子。
うなじが露になったその場所に、タケルは舌を這わせた。
- 3 -
[*前] | [次#]
ページ: