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どうやって、タケルの家に来たのかわからないほど、亜子は何も考えられないでいた。
ドアを開け、亜子が中に入るのを待つタケル。
「ほら、入れよ」
なかなか部屋へと入る素振りのない亜子に、苛立つ。
「あ……お邪魔します」
「ばか。お邪魔しますじゃねぇだろ?『ただいま』だろ?今日から一緒に住むんだから」
「そ……そうだよね!ごめんね」
久しぶりのタケルとの再会、ましてや一緒に暮らそうと告白までされた亜子は、テンパってしまう。
ドキドキしながら、部屋に入ると、何もないシンプルな部屋をジッと見つめた。
ーーここが……今日から私の家。
「荷物は?これだけ?」
手に持っていたバックを、亜子に手渡したタケル。
「あ、うん。家具とかは全部リサイクルに出して、服とか要る分は最小限に抑えて持ってきたの」
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