上を向いて歩いたら転んだ
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そうと知らなければ、普通のビル群の中の一つだと気にも留めないだろう。しかしそのビルのオーナーはいわゆるヤの付くような、一般人には言えない危ない職業の人達だった。……令状を突きつけたら反抗されたのでちょっと痛い目に遭って頂いたが。
兎も角、俺を先頭にして真選組は、桂小太郎率いる浪士が集まっているというその部屋に辿り着いた。

「っ真選組御用改めである! 神妙にしろテロリスト共!」

逃げる浪士を追って、俺達は廊下を走る。銀さんや桂がわいわい騒いでいてちょっと楽しそうだと思ったのは内緒だ。イイナー。

「おい、」

銀髪の首を狙って刀を刺すと、奴は勘なのか天武の才なのかは分からないがいとも容易く避ける。

「逃げるこたァねーだろ。折角の喧嘩だ、楽しもうや」
「っオイオイお前本当に役人か? よくもまあそんな無表情でお巡りさんなんて勤まるもんだよ、っと」
「るっさい、これでも表情筋は活躍してんだぞ。オメェも死んだ魚のような瞳ェしやがって」
「いーんだよ、いざという時にはきらめくからっ」

イヤァほんっとムカつく奴だな本当にッ! 
 
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