正鵠を失わず
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「吹っ飛ば、えっ?」
「ちょっとォそこにいたら巻き込まれちまいやすぜ」
「ああすまん……じゃなくて!」

思わずノリツッコミしてしまったがいや待て。総悟は悠々と座りバズーカを構えている。何なんだコイツ。四次元ポケットでも持ってんのか。

「はいせーの、」
「いや待て待て待てェ!」

どんと一発向こうに打ち上げれば、培養器は爆風に煽られてガラスが割れ中の液体が漏れ最終的に紅桜(仮)はその衝撃によって大参事である。どこからか、やたらと強い風がびゅうと吹いて、危うく倒れそうになるが渾身の力で足を踏ん張った。

「馬鹿かお前ッこんなことしたら俺達がここにいることバレちまうだろうが!」
「……あ」
「やっぱ総悟お前馬鹿だろあ、じゃねェよ今気付きましたみたいな顔止めろ!」

「てへぺろ☆」みたいな。星が肝心だ。

いやそうじゃなくて。そう、この馬鹿に叫ぶと共に、この部屋の外から騒がしい気配が近付いてきたのを感じた。仕方が無いが、結局紅桜は全部始末できたということでプラマイゼロ。ついでにこの騒ぎに乗じてアイツが自らのこのこ来てくれたら万々歳なのだが。
 
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