追剥原へ蛍狩り
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「……ほう、真選組の副長殿がわざわざお越しくださるとは高待遇ですなあ」
「うわこっち来たぞ」
「どうやらお目当ては土方さんのようですぜ」

お目当てって。早く行けよと急かしてくる総悟とどちらが岡田似蔵の相手をするかで押し問答していると結局めんどくさいじれったいとばかりに総悟は俺の背を押した。まあ年上だし? 精神年齢的には総悟のウン倍だし? もういいやいっちょやってやるかのうと重い腰を上げて俺はようやく刀に手を据えたのだが。

「オイオイなあに来てくれちゃってるんだよ大串君ったら……」
「……おお、まだ喋る気力があったとはな。だがもう俺の相手を出来るほどではないだろう」
「旦那の仇は俺が取りまさァ。だから安心して寝ててくだせえよ」
「俺まだ死んでないから!」

折角俺らが原作にない働きをして助けに来たにもかかわらず(無論俺以外は知りもしないのだが)、万事屋はふらっふらの体でまた木刀を構え挑もうとしていた。まあこのまま岡田の相手をしていたら出血多量で死ぬんじゃないのかと思うくらい酷いしそんな怪我でうろちょろされても正直邪魔なので早く退場願いたい。あとどうでもいいけど岡田似蔵って藤●弘に似てるよな。
 
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