ネットを挟んで並んだ俺達四天宝寺と氷帝のレギュラー陣。もう既にオーラがヤバいのと氷帝コールの煩さと言ったら無い。たかが練習試合なのにおかしい位の歓声だ。本当にやってるんですね…

「……これどうにかならんの」
「無理や。ま、試合になりよったら大人しゅうなるから」

すまんなぁと謝る侑士君だが、彼の所為でも無いので(もしかしたら侑士君が格好良いのも歓声の内に含まれているのかもしれないけれど)俺は笑って流した。しかしながら耳を塞ぐほどにきゃあきゃあと騒ぐ女の子達だったけれど、俺達の会話を聞いたのか跡部がそちらを一瞥すると途端に大人しくなる。一体どんな魔法を使ったんだ…

突然静かになったギャラリーに俺達はぎょっと、それこそ目をを剥いたが、氷帝では日常茶飯事の光景らしくまたか、といった空気がレギュラーから漂う。一瞥しただけで黙らせるなんて流石跡部、王を名乗るだけはある、のか?

「すまねえな、始めるか」
「お、おん」

今度こそ、と気を引き締めて目の前を見る。氷帝はまさしくそびえ立つように、そこに君臨しているのであった。


我が道を進め