*銀魂・山崎退成代/旅路
・失声症山崎君と命の恩人土方さんのハートフルコメディー(嘘)
・史実に全く基づかず、しかも原作からも蛇行
・うちの退君は土方さんのファン
・父親の家系は忍びで、母親の家系は医者だったらしい。ややこしや
・色々あって両親は死亡している
・原作は既知


山崎退は十五過ぎたあるとき、ふと死のうと思って家の近くの川に落ちた。地味は地味なりにかなり考えた先の行動だったのだが、その決意も虚しくやさしいおにいさん(仮)に拾われて気が付いたら布団に寝かされていた。
俺の目の前に居るお兄さんの名前は、あのかの有名な土方十四朗というらしい。眉間に皺が寄っていて、しかも帯刀している。自分もあまり人のことは言えないのだがかなり物騒だ。
困って笑うと、土方さんは呆れたように溜息を吐いて、口を開いた。
「お前、名前は」
「……」
残念ながら、山崎退という人間は、生まれて一度も言葉を発したことが無かった。失声症とか言うらしく、精神的要因によって一時的に声が出なくなる。俺は何故か産まれたときからその病を患っていて、普段はアイフォンとか筆記用具を携帯しているが、今現在何故か周りに俺の荷物は無かった。着物も着替えられている。拾ってくれたのだろうが、今の心情は身包み剥がされたときのそれと似ている。
「おいテメェ、何か喋ったらどうだ」
「(会話が成り立たない…)」
答えない俺に、土方さんの眉間の皺はまた一層寄ったような気がして、俺はひくりと喉を引き攣らせた。
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『銀魂・山崎成代』2012/10/27 Sat 17:52
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