・謙也くん→←白石主
・女だけど男テニ部長
・最初からクライマックス/三年


いつもきっちりと巻かれている包帯も、白石の汗の量の前では形無しだった。心配してきてみればこれだ。俺は包帯が解け掛けている左腕を手に取った。

「おい白石、もう無茶すなって! 大会前に体壊したら――」
「無茶なんてしてんわアホ! 私は部長なんよ。ただでさえ他校には女やからって馬鹿にされとるのにこれで負けたら、」

白石の顔は泣きそうに歪んでいた。そんな苦しそうな顔なんて見たなくて、俺は思わず手を伸ばす。
左腕から辿って背中に手を回すと、白石の肩はびくりと震える。そのままその柔らかいからだを掻き抱くと、ふわりと良い匂いが鼻をくすぐった。白石は俺の肩に顔を埋め、ほっとしたように息を吐いて俺にもたれかかり、笑った。

「謙也くんといるとなんか、安心する」

俺だって、白石といると嬉しい。君が笑っていると俺だって嬉しくなるし、さっきだって、白石が泣きそうだから俺だって泣きそうになった。
だから、彼女をもっと強く抱きしめた。愛しい愛しい俺の大好きな、白石。

「好きや、白石」

そう囁いて見た彼女はとても綺麗に笑っていて、俺は。

*喩えるならキスできそうな距離

------------------------

BLは苦手だけど謙蔵は素敵だと思うよ!

title=確かに恋だった-選択式の1264より
  comment??
『白石主の性別ががもし女だったら』2012/06/09 Sat 19:07
blog top
- ナノ -