*微ネタバレ有/中一

毎朝四時に起きる生活は、例えどれ程大切な日であっても欠かすことができない。真田は今日も四時に起きた。しかし携帯に色々な人から所謂お誕生日メールというものを貰って自覚した彼は、とりあえず返信することにした。
テニス部で日付が変わる直後に送ってきたのは蓮二とジャッカル、少し遅れて丸井。仁王はどうやら送ったのは先程らしく、珍しく焦ったような文体が印象的だった。
他にも沢山来ていたが、その中に幸村からのメールは無かった。真田は少し首を傾げたものの、自分から欲しがるものでは無いなと思い、忘れることにした。
しかし、登校してからも幸村は何も言わなかった。目の前でおめでとうと言われているのに見事なスルースキルっぷりを発揮した。それに関しても真田は何も言わなかったが、嫌な予感と少しの寂しさを思った。
放課後、真田は先輩方にも祝われた。その時も幸村はただにこにこしているだけで何も言わなかったので、帰り道に単刀直入に言うことにした。

「お前は、言ってくれないのだな」
「何を?」

にこにこにこにこ。

「俺の誕生日を、祝ってくれないのだな」
「そう言うと思った」

幸村は、真田ってば短気なんだから、と呟いて走った。

「おい、幸村何を――」
「来たら、わかるよ!」

仕方なく追いかけると、そこは幸村宅の庭。幸村は花壇に植わっていた日々草を根元からぽきんと折ると、真田に差し出した。

「Happy Birthday to You! それ、絶対だからね!」

真田は帰って、日々草の花言葉を調べた。曰く、生涯の友情。
自分でも表情筋が動いているのを感じる。これほどまでに嬉しいのは久しぶりだ。
真田は花瓶に日々草を生けた。

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21日31時バースデー!
間に合わなかったなんてことは無い
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『真田ハピバ!』2012/05/18 Fri 06:25
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