「花宮」
 同じポジションであったこの後輩を、以前は大層贔屓に(というのはきっと主観であって後輩からすれば贔屓だなんてとんでもない冗談だと思われているのだろうが、これが案外本当だったりするのである)していたものだ。
 呼びかけに応える声は戸惑うように揺れる。なにか御用ですか、主将。困ったような態度を隠さず、しかしその瞳を輝かせて笑う様は、以前では見られなかったものだ。
 嗚呼、自分は後輩の教育を間違えたのかもしれない。そう思ってしまうくらいには、以前の自分が後輩の人格形成に悪影響を及ぼしていた自覚はあった。以前の後輩は元々の性格が歪んでいたところに自分が手を加えてしまったために、他人の不幸は蜜の味、を地で行く男になってしまったが、ところがどっこい、この目の前にいる花宮真という得体のしれない後輩は、この世に生まれ落ちたときから、とんだ人格者である、らしい。




※人生二週目のみなさんと品行方正花宮君
前提一:花宮真を除く「黒子テツヤ本人及びその関係者」は全員一週目(原作)の記憶を有している。
前提一:花宮真は一週目の記憶を有しているとは限らない(言質を取れない)。
前提一:「黒子テツヤ本人及びその関係者」は花宮真が「一週目の花宮真」か「赤の他人」か、黒子テツヤが高一のWC決勝終了のホイッスルが鳴るまでに判定しなければいけない。
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『「せんせー花宮君がなんか違います!」』2015/11/12 Thu 20:11
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