拝啓、春もまだ浅いこの頃ですが、貴方にはお変わりなくお過ごしのことと思います。近所の河原ではつくしが頭を出し始めました。そういえば、貴方の娘さんの名前の由来はこの可愛いらしいつくしではなかったでしょうか。心から愛らしそうに目を細めて、貴方がそう仰っていたのをよく覚えています。私はすっかり海に関係のある名前を付けるものだと思い込んでいたものですから、正直驚きましたよ。あなたによく似て、広い懐を持つ、さぞかし可愛らしい女の子に育ったのでしょう。


堅苦しい言葉に貴方は眉間に皺を寄せていることと思います。昔から貴方は敬語を嫌いましたからね。では言葉を極力改めて。


俺を恋人としてこれでもかという程可愛がり、何度も何度も好きだと囁いたのを覚えていますか?俺は10年経った今でもはっきりと覚えています。忘れることができないんです。なんて言ったら、妙な誤解を招くかもしれませんが、俺にも当然妻がいます。妻も元気でやっています。綱海さんより少し遅れた結婚式は生憎の雨でした。あのときは、わざわざ用事を潰してまで来てくれてありがとうございます。綱海さんは隠していたつもりのようでしたが、あなたのお嫁さんが俺に嬉しそうに話してくれましたよ。今、驚いてるだろう綱海さんを思うと笑ってしまいます。スピーチ、とても素敵でしたよ。もちろん今でも、俺は妻を愛しています。驚くほど大きな喧嘩も問題も特に起こらず、するすると平和今まで共に暮らしてきました。逆に子供に恵まれていれば、こんな生活を送っていられなかったんじゃないでしょうか。挫折することも多々ありました。けれど今顧みればやはりうまくいきすぎて怖いくらいに幸せでした。


さて、手紙をよこしたのは、ふたつのお願いのためです。どうか、さいごに我が儘をふたつ聞いてください。目を通すだけでもいいです。笑い事にしても全然構わないです。
ひとつ、俺になにかあったら、俺の妻を頼みます。あなたと妻がさほど仲良いわけではないのは承知しています。ただでさえ沖縄と神戸、距離があります。まさか面倒見てだなんて無理は勿論言いませんし、そんなつもりさらさらありません。妻はとてもしっかりした人です。きっと誰の手も借りず歩んでいこうとするでしょう。そんな彼女を止めろだなんとこともさらさら思っていません。時々電話で娘のことについて話したりと、そんな些細なことで構いません。本当に、たったそれだけで良いのです。干渉せずとも、季節の変わり目に電話一本してやってください。そしてなにかお願いをされたら、できる限り応えてやってください。


もうひとつ、気が向いたなら、俺と会ってください。俺はあなたに会いたい。できるならば今すぐにでも。こんな言い方はずるいのはわかっています。例え相手が誰だろうと、このようにせがまれればあなたは迷わず駆けつけるでしょう。我が儘を許してください。ただこの手紙を読んで気が向いたのなら、一目でもいい、顔を見せてください。気が向いたのなら、どうか、会いに来てください。気が向いたのなら、懐かしい昔話を聞かせてください。 両手に有り余る幸せの代償ならば、こんなのはもう充分だと俺は思うんです。あなたに出会えただけで、私の人生はきっと最高だった。
こんなの、だなんて不審に思ったでしょうか。教えませんよ。あなたが来てくれたら、俺は話そうと思います。私もあなたのせいで意地悪を覚えたのですから、最後くらい許してください。


はて沖縄でつくしは見られるのでしょうか?気が向いたのなら、よかったら俺の家の近所の河原へ足を運んでください。その頃にはきっと、つくしも逞しく伸びていることでしょう。では綱海さんたちの一層幸せと、ご健闘を祈って。
愛していました。






20XX年4月2日


立向居勇気




えっと、なにがかきたかったのかやら…
一応設定として、綱海さんと立向居くんは高校生の頃から大学生まで付き合っていて、なんやかんやで別れるんです
先に結婚したのは綱海さんで、そのあと立向居くんが後を追って結婚
互いに円滑な日々を送ります
綱海さんの子供はきっと可愛いだろうなと、ランニング中につくしを見つけてつくしって名前を付けたよってところが書きたかっただけです
立向居くんは病気にかかttことになってますすいません
記憶が部分的に死んでいく病気で
家族のことも忘れてしまいでも綱海さんだけは覚えてた…みたいな設定
なんか打ってて恥ずかしくなってきた
綱立好き綱塔とかも大好物です綱海さんまじ男前・・・
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