空に高く伸びる一面のすすきのなかで、ひっそりと日々を過ごす白い花がある。
根元に落ちた花びらを太陽に透かすと、淡く優しいクリーム色が浮かぶ。名前は知らない。名前なんてものはもしかして存在しなくて、幻なのかもしれない。そんな変哲なことを思ってしまう程に、それはどこか幻想的で、奇怪な美しい輝きを放っていた。
今にも消えてしまいそうな輝きは、儚い。いつか枯れてしまうからこそ、美しい、と思うのだろう。いつまでもみていたい。そう思う反面、枯れた姿をみてみたい。そう思う自分が、ひっそりと足音をたてずに、喉まで近付いていた。
さあて、指を折るのは、あと何回だろうか。