たまーに見かける以蔵と同棲妄想がかわゆすぎるのでお誕生日のお話も妄想してみた

ばにたん→社会人一年目のOL
以蔵→学生

最近研究室にこもりっきりでなかなか帰ってこない以蔵

誕生日を一緒に過ごしたいばにらちゃんは、お仕事を休んで以蔵の大学近くまでやってきたのであった















って、いきなりおしかけて私は何したいのよ…!

春は私が残業続きで、全然構ってあげられなかったのに

自分が一緒にいたい時だけ求めるなんて、おかしいよね。

やっぱ帰ろう

【19日帰ってくる?】

数日前に送ったlineは既読もつかないまま…

忘れちゃったのかな…


ふと目に入ったケーキ屋

「ハン…ピェー…タ?何語だろ。お洒落なケーキ屋さん。」

自分用にケーキでも買おうと、思い切ってケーキ屋の扉を開けた

「いらっしゃいませ。」

中は意外と広くて、奧にはカフェスペースもある

以蔵の大学の近くにこんな素敵なお店があったなんて!
今度、以蔵と一緒に来なきゃ。

「お決まりですか?」

はっ…!

いくら店内空いてるからって、いきなりぼんやりしてちゃだめだ私…!

はぁ…背の高くて色白な店員さんかな?とっても綺麗な人だな…

って、何見てるのケーキよケーキ…!

「えと…バースデーケーキを…ちっちゃいので大丈夫です。」

「では、こちらの棚ですね。」

「あぁっ、このケーキ可愛い!うさぎさんとくまさんのマジパンがなんともいえない!」

「こちらになさいますか?」

ちょっと子供っぽすぎるかな。

でも子供のってことにしておけば問題ないよね。

「はい!これでお願いします!」

「プレートのお名前はどうされます?」

「あ、えっと、ばにらちゃんお誕生日おめでとう、で、お、お願いします。」

は、恥ずかしい!

いや、でもわかんないわかんない!

「………」

「お兄さん?」

「…あぁ、すみません。可愛らしいお名前ですね。お子さんですか?いや、ご姉妹?」

「っ、う…い、妹ですっ。」

「そうですか。妹さん、おめでとうございます。」

「あ、ありがとうございます…」

う、嘘をついてしまった…

「ご準備いたしますので、奧の席に掛けてお待ちください。あと、今僕一人で切り盛りしてるので、お時間少し頂きますね。」

「あーもう全然時間とか気にしませんので。よろしくお願いします。」













夕方のご飯前だからか、近くの大学が夏休みだからか、店内には私以外のお客はいなくて、ショーケースに一番近い席に座らせてもらって、ケースの中をじっくり見て楽しんでたんだけど、


ちょっと遅い…


いくらお兄さん一人だからって、何分かかるんだろう。

私がちょっとショーケースの向こう側を覗き見ると、バッチリお兄さんと目があっちゃって気まずっ…


お兄さんは、それに気づいてかそばにやってきて、ティーカップをテーブルに並べた

「お待たせして、すみません。もうじきできますので、こちらサービスのラベンダーの紅茶です。」

「ありがとうございます。すみません催促したみたいで。」

「いいえ、ごゆっくり。」

温かいお茶ですっかり落ち着いて、もう少しゆっくりしてもいいかな、なんて思った頃、お兄さんが紙袋をもってやってきた


「たいへんお待たせしました。袋、傾かないように気をつけてお持ちください。」

「ありがとうございます。お茶、美味しかったです。また来ます!」

「ばにらさんのご来店、楽しみにしています。次は、お二人でいらして下さいね。」


素敵なお店見つけちゃったなぁ…
ご機嫌で家路につく



ん?



お兄さん、私をばにらさんって…



バレてる!!














「思わず名前を呼んでしまったけど、間違いなさそうで良かった。」

先ほどまで彼女の座っていた椅子を整えながら、ぼそりと呟く

彼女の前にこの席に座っていた客を思い出す




近所の大学の学生だろうか?にしては、大量の買い物袋を下げた体格のいい青年がやってきたのは数時間前

「バースデーケーキを下さい!」

「でしたらこの棚の商品を。種類とサイズがそれぞれありますので…」

青年はあるケーキに釘付けだった

「この、うさぎとくまのショートになさいますか?」

「はっ…か可愛らしいが、子供っぽすぎるか、いや、あいつはこんなのが好きそうだが、子供扱いしてって怒りそうな…」

ぶつぶつと一人悶々としている様子

「お子様にですか?」

「お子ぉっ…!?い、いいえ、違います!彼女に!!」

「彼女さんは可愛らしい方がお好きなのでしょうか?こちらのベリーとショコラのものとか、デコレーションにこだわっておりますよ。」

「これいいな。これにします!」

「お名前入れられますか?」

「ばにら、で!」

「かしこまりました。お好きな席にお掛けになってお待ちください。」


ショーケースに一番近い席に座った彼は最後まで、うさぎとくまの乗ったケーキを眺めていたっけ

「今日は腕によりをかけて、彼女にお料理のプレゼントですか?」

「はい。自信なくて、失敗してもいいように、材料全部倍の量買っちゃいました。時間かかるだろうし、早く出てきたんですけど、間に合うかなははは…」


彼がぎこちない手際で料理をする姿がよぎったもので、ばにらさんをかなりの時間引き止めてしまったな…

彼女の帰りに間に合うといいけど


そもそもこれで、人違いだったらたまんないね


「武市さん、武市さん、もうホール出ていいッスか?」

「あぁ、悪かったね中岡。」

「ホールに出てくるなとか、紅茶いれろとか、箱にマジパンと大量の保冷剤詰めさしたりーいったい何ッスか!」

「僕も色々と心中穏やかではなかったんだよ。とりあえず、ケーキ買ったのにうさぎとくまのマジパンしか入ってないって、苦情がこないのを祈ろうか。」



お誕生日おめでとう、ばにらさん!














以蔵が回想のみ出演になった(笑)

ばにらちゃん、お誕生日おめでとう!
ますます綺麗な大人の女性になってねヽ(´ー`)ノ

翔子


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