はる | ナノ
 

大久保邸企画


春爛漫参加作品


最初に、作者には囲碁知識がほぼないことを踏まえてお読みください…








「う…20分前の私のばかぁ…」

「フン!言っただろう。小娘ごときが私に4子置いて勝とうなんてな!」

「うぅ…」

「…で、」

「はい?」

「何をしてほしいんだ?」
「ふぇ?」

「阿呆丸出しの声を出すな。私に勝って何かねだるつもりだったんだろう?」


「あ!そうだった。」


遡ること20分



「囲碁で私に挑もうなんて、どの口がほざくのかと思ったら。饅頭の粉まみれのその口か。」

「え?!ついてますか!きゃー、半次郎さんの嘘吐きー!いつも通り変わりないって言ってくれたのに!」

「いつも粉か飯がついてるからなぁ、この食いしん坊は。」

「あ。私、白がいいなぁ。置き碁でも白が持てる小娘ルールでお願いします。」

「急に話を変えるな。」

「変えたのは大久保さんじゃないですかー。」

「さぁな。なに、今日も8子ばかり置いてやろうか?」

「はぁ?そんなに要りませんよー。4つでいきましょー4月だから!」

「意味がわからんが…後で泣いても知らんぞ。」

「うふふー。大久保さん、私が勝ったらお願い事きいてくれますか?」

「フン!私に勝とうなど、考えない方が身のためだ。」



回想おわり。



「…確かに、私が甘かったのかもしれません。」

「潔いな。身の程をわきまえてこれからは…
「でも、諦めるとは言ってません!勝って、大久保さんにお花見に連れて行ってもらうんだからぁ!」

「…お前の願いがそれか?」

「はい。」

「…ふ、」

「む。」

「ハハハッ!実に下らない。そんな事の為にこんな無駄な勝負を仕掛けたのか?」

「むむむー。だって、大久保さんいつも忙しそうだし、たまには息抜きしてほしいっていうか、んまぁ私がどっか連れてって欲しいだけなんだけど、とてもそんなの言えないですもん。」

「はぁ。私にだって息抜きしたい時もある。こうやってお前の相手をするのが丁度良い。」

「ほんとですか…?」

「変な気遣いも頭も使わなくていいからな、お前には。」

「う…なんだ誉められたらと思ったら違うのか。」

「そんなに花見がしたいのなら、そこの障子を開けてみろ。藩邸の桜も見頃だろう。」

「えー、大久保さん知らないんですかーもうかなり散ってますよ?」

カラカラ

「ほら〜」

「う……散る花弁を見ながら極渋茶というのも、趣があるだろう。」

「どっかの誰かみたいなこと言わないで下さいよ。」

「小娘、茶が冷めているぞ新しく…」

「はいはい、入れてきますーて、大久保さん?大久保さーんどうしたんですか?」

「これは…」

「あ、花弁が碁盤に…。む!これはもしや良い手では!ちょうど白いから、私の手ということで!いただきましたー。」

「面白い。続けよう。」






後日談


 
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プチ感想☆



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