2ー1 | ナノ
○慎ちゃんがゲームするのを見る

「いいッスか?」

「いいよー見とくから。」

「私も、見るの好きだから、いいよ?」

「ありがとうッス。総司、後でかわるッスね!」

「いいの?イメトレしとくよ。はい、みかんどうぞ〜」

「ありがとう。」

お菓子を食べながら、慎ちゃんがゲームするのを眺める。

体動かさなくなると、急に寒くなってきたので、こたつふとんをすっぽり被ってみた。

温かい…

ん?

こたつの中に入れた手が何かに触れた…

そ、総司くんの手かな?

避けようとしたら、その手を掴まれてしまった。

「ちょ、総司くん…」

こそこそ声で、話しかけると、ゲーム画面からこちらに顔を向け、ニッコリと微笑む総司くん…は、恥ずかしいんだけど…

こたつの中で、私の手を握る総司くんの手、とてもあったかくて、気持ちがいいよ。

ぎゅっと強く手を握ったり、時々指の節をなぞるみたいに、撫でられて、くすぐったくて…総司くんを見るといつもの笑顔…

総司くんの変な余裕に、こっちがほんとに恥ずかしくなる…

が、ふと気づいた。

総司くんは、今両手でみかんを食べてる…

ってことは、この手は…



恐る恐るこたつ布団の中を覗くと…


「にしし、ワシじゃぁ!」

「キャーー!りょうまさんーー!?」

「え、どうしたッスか!?」

「…ふふ、あはははは!」

ちょ、総司くん、知ってたの////

「父さん、何してるッスか!」

「こたつで寝とったら、やーらかいおなごの手がワシのアレやらコレやらを触ってきてのーぅ。気持ちえぇから出そびれたんじゃ!」

「姉さん、まじッスか!」

「ち、違うよー!」

「そんな大胆なことが…僕の足元で…あははは!」

「ちょ、何も…手だけじゃないですか!」

ゴロゴロと笑い転げる総司くん。
私、めっちゃ恥ずかしい子じゃない!


「おまんは、ほんまに可愛いのぅ、ワシの娘になりぃ!」

「俺も、姉さんが欲しいッス!」

「僕も、賛成。毎日こんな楽しかったらいいのに…それにしても…あは、あははは…」

どうしても、総司くんのツボに入ってしまったみたいで…



帰ってきた桂さんと、うちの半平太兄ちゃんと利通兄ちゃんにこってりお説教された龍馬さんと総司くん…そして巻き添えの慎ちゃんごめん。

そんなこんなで大晦日の夜は更けていったのでした…



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