ぷろろーぐ
「おい!大丈夫か!?おりてこーい!」![](//static.nanos.jp/upload/b/bflatb/mtr/0/0/201110182234333.jpg)
気がつくと木の上にいました。
お空が青くて綺麗だと、うっとりしてるのもつかの間…
結構高さがありそうだな、と恐る恐る見下ろすと、茶髪のお兄さんがこちらに向かって叫んでます。
高いのも怖いし、
大きな声のお兄さんも怖い。
なんでこんなとこにいるの私…
手足が震えて、辛うじて立ってる細い枝がミシミシときしみはじめました。
もう、落ちちゃうよ。
その瞬間、体がふわりと宙に投げ出され、目の前に青い空ががぐるぐると広がって。
感じたのは暖かな風
これから来るだろう衝撃に備えていると
すとんと柔らかでかるい衝撃。
さっきまで見えなかったけど、女の子がいたみたいで私の体を受け止めてくれました。
![](//static.nanos.jp/upload/b/bflatb/mtr/0/0/201110182234332.jpg)
さらさらの栗色の髪が鼻先を撫でて心地良い。
安心しきった私は体中の力がぬけてしまったのですが、ぎゅ、と抱きしめてくれる女の子の温もりはしっかりと感じていました。
腕の中の私を覗き込んで見る2人のお兄さん。
大きな声のお兄さんも、私のことを助けようとしてくれてたんだって。
怖いとか言ってごめんなさい。
私どうして木の上にいたんだろう…
それより前のことが全然思い出せないです…
覚えてるのは
木漏れ日と
逆さまに見えた青い空と
抱きしめられた温もりと
溢れる笑顔