ぷろろーぐ


「おい!大丈夫か!?おりてこーい!」





気がつくと木の上にいました。

お空が青くて綺麗だと、うっとりしてるのもつかの間…

結構高さがありそうだな、と恐る恐る見下ろすと、茶髪のお兄さんがこちらに向かって叫んでます。

高いのも怖いし、

大きな声のお兄さんも怖い。

なんでこんなとこにいるの私…


手足が震えて、辛うじて立ってる細い枝がミシミシときしみはじめました。

もう、落ちちゃうよ。


その瞬間、体がふわりと宙に投げ出され、目の前に青い空ががぐるぐると広がって。

感じたのは暖かな風

これから来るだろう衝撃に備えていると

すとんと柔らかでかるい衝撃。

さっきまで見えなかったけど、女の子がいたみたいで私の体を受け止めてくれました。


さらさらの栗色の髪が鼻先を撫でて心地良い。
安心しきった私は体中の力がぬけてしまったのですが、ぎゅ、と抱きしめてくれる女の子の温もりはしっかりと感じていました。
腕の中の私を覗き込んで見る2人のお兄さん。
大きな声のお兄さんも、私のことを助けようとしてくれてたんだって。
怖いとか言ってごめんなさい。

私どうして木の上にいたんだろう…

それより前のことが全然思い出せないです…

覚えてるのは

木漏れ日と

逆さまに見えた青い空と

抱きしめられた温もりと

溢れる笑顔







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