あなたに満たされて


…トントン

…コトコト


美しい手際で作り上げられる料理の数々。

決して豪奢なものではないけれど、質素な素材が彼の手にかかるとキラキラとその自然の味を引き立てられて喜んでるみたいです。



料理する男の人の後ろ姿って素敵だよな…


「これ。台所は男子禁制ですよ?」



「さっき、食べたところでしょう?タマ。」

私?
私に言ってたの?

え、え、桂さん…
私女の子って知らない…??

あんなに綺麗な名前を候補に入れてくれたのに…

私がショックで口をあんぐり開いてるのを、余程空腹なのかと思ってくれたらしく、桂さんはお味噌汁のだしに使った小魚を小鉢に入れてそっと置いてくれました。



まだ放心状態の私をニコニコと見つめる桂さん。
そんなに見つめられたら食べにくいことこの上ないんですが…

「たくさん食べてしっかり遊びなさい。怪我しないようにね。

おてんば娘さん。」






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