ポチタマ紛争


「白虎丸!白いから!」

「小雪はどうだい?小さくて白いからね。」

「タマですね。猫だから。」


華子ちゃんの膝の上で微睡んでいたら、そんな会話が聞こえてきました。

みなさんと会うまでの記憶がなくて、野良だったのか飼われてたのか分からない私ですが、お迎えがくるまで助けてくれたみなさんのお家においてもらうことになりました。

「お前ら、センスのカケラもないな!」
大きな声のお兄さんが、晋作さん。

「扇子?」
この天然サラサラストレート(髪の話ですよ)のお兄さんが、桂さん。

「なんでですかー犬ならポチ、猫ならタマですよね!
ね?君はタマちゃんがいいよね?」

膝に乗せた私をガバッと覆うように覗き込んで、尋ねてくるのは華子ちゃん。
華子ちゃんも最近このおうち…長州藩邸だっけ?に来たばかりの仲間らしい。

タマちゃん…

とっても懐かしい響きだな。
私はもしかすると誰かに飼われてたのかもしれません。

華子ちゃんの綺麗な声が私の名前を呼んでるっていう心地よさに喉がゴロゴロなっちゃって…

「ほら!喜んでる〜タマちゃんに決定ですね。」

「お前がそういうなら仕方ないな!」

「ええ。これからよろしくお願いしますね、タマ。」
「私の方がちょっとだけココの先輩だからね。」

「猫と張り合ってどうするんだ…」

はい、みなさん
ありがとうございます。

タマはとても嬉しいです。

お母さんが見つかるまで、よろしくお願いします。







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