よく彼女から、いつもぼんやりしていて危なっかしいなんて言われるけど、俺としては人のこと言えないじゃないかと思うんだよね。
確かに思考に耽っている時の俺は周りが見えてないって自覚があるけど、それがない分彼女の方がずっと危なっかしいというか、目が離せない。
今だって偶然見つけたその姿は高く積まれた本に合わせていかにも不安定だ。
頑張り屋さんなところはもちろん可愛いけど、俺に一言かけてくれても良いじゃないか。
君が怪我でもしたらどうしよう。
悶々考えていたらいつの間にか自分の世界に入っていたらしく、前頭部への鈍い衝撃で漸く我に返った。
また壁にぶつかっちゃったよ。
痛む頭に意識をもっていかれた、その隙を突かれたというか。
空を舞う本が蝶みたいだ。
戻した視線の先では君が転んだまさにその瞬間だった。
ああもうだから気をつけてって言ってるのに！
take after −似ている−
(似た者夫婦)
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正確には血縁関係がある場合にのみ用いるイディオムだそうです。
なので従兄弟設定ということで←
３M企画