「みつなりくん、みつなりくん」
 
 
甘くて苦い珈琲を嗜みつつ、新聞に目を落としていた彼が、ちらりとこちらを見てくれた。
 
 
「わたし、今凄くしあわせかも。ありがとう。」
 
 
微笑んで感謝の言葉を述べれば、あれ。
眉間に皺が出来ました。
予想外だよ、どうしよう。
 
 
「…なんだ、薮から棒に。」
 
 
探るような眼差しにちょっと反省。
普段の私、どれだけ信用ないんだろう。
 
 
「あのね、今朝のテレビでやってたの。夫婦円満のヒケツは相手を褒めることだって。」
 
「ほう。」
 
「でね、これは恋人同士にも言えるんじゃないかと思いまして…」
 
 
じいっと光成を見つめれば、舌打ち一つ残してぷいと背けられてしまった。
あれれ、これは照れ隠しなんかじゃないよね。
 
だってオーラが不機嫌だ。
 
 
 
 
「…今度は幸せかも、ではなく幸せだと言わせてやる。」
 
 
 
ぽつり、紙面に落ちた言葉で幸せになりました。
 
 
 
 
 
 
take on −引き受ける−
(翌日は久しぶりにデートしてみたり)

-----------
3M企画
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -