雲一つない青空が、何故だか目にしみる。
急に世界が偽物のような、ジオラマを巨大化させた中に迷い込んでしまったような。
口にすればなんて馬鹿馬鹿しい考えだと自分でも笑えるのだけれど、しかしその感覚が抜けることはない。
 
こんなにも色に溢れていたなんて。
冷たい空気と触れ合うことさえ新鮮で、時が経つのも忘れるほど、ぼんやり古びたベンチに腰掛けていた。
 
 
「悪ィ、遅くなった」
 
息を弾ませながら駆けてくる新緑に、はたと気付かされる。
周りを見渡す余裕なんてなかったと。
あなたに会う以前なんて論外なのはもちろん。
近くを見るので精一杯、私の世界はいつの間にかスパーダで構成されていた、なんてね。
 
 
 
 
 
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(さあ行きましょうか、遅刻魔さん?)

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