いつの間にか意識を手放していたらしい。
支えにしていた左手から頬がずり落ちて、ぱふんと間抜けな音を発てた。
柔らかい枕さまさま、痛いとか言う衝撃はなく寧ろこのまま沈んでいたい、そんな気さえしていたというのに、薄く目を開けてしまった俺がバカだった。
 
視界いっぱいの呼び名!。
起きぬけの、まだよく思考がはっきりしねぇ中、それはそれは大きな動揺をもたらした。
 
格好悪ィくらい焦ってると思いながら、それを気にする余裕なんか生憎と持ち合わせちゃいない。
一歩間違えりゃ今後に多大な影響がある訳で、責任という二文字が、やけに頭を占めやがる。
 
起こさない程度に勢いよく掛け布団を引っぺがすと、二人とも訝しい皺一つとない衣服を身に纏っていた。
そこで漸く、怖い夢を見ただなんだと夜更けに呼び名!が潜り込んできた事を思い出す。
 
よく我慢したな俺。
自分を褒めてやりたいところ、どうやらそれは、もう少し先の話らしい。
 
もぞもぞ動く呼び名!にまたドキリとさせられ、まだ起きる様子のない姿に苦笑を禁じ得ないのだった。
 
 
 
 
 
 
 
refrain from −差しひかえる−
(早く起きた方が身のためなんじゃねェ?)

--------------
3M企画
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -