厄介な拾い物をしてしまった。
 
庭の木の下に不審な陰があるからと、不用意にも近寄ってしまったのが間違いだった。
 
 
「ここはどこ、あなたはだあれ」
 
 
豪快に大の字で寝転んでいたその女は、反動も無しに起き上がり、前触れもなくとんでもない言葉を吐き出した。
 
新手の戯れ事かと思い、冷ややかな視線のみ贈って差し上げようとしたのだがどうだ。
思いとは裏腹に、酷く緩慢な動作で手を差し伸べたのは何処の誰だ。
加えて、蕩けるように快い響きの声で話しかけるとは気色の悪い。
立毛筋がきゅっと収縮し、背筋はぞわぞわ騒ぎ立てる。
 
隣から己を蔑んでいるようで、この不快な人物は俺かと理解するのに暫し時間を要した。
 
 
 
 
 
 
 
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(どうやら、見初めていたらしい)


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