彼女はある意味天才だ。
 
 
一緒にいるだけで、心が軽くなるのが分かる。
温かい気持ちになる。
自然と笑みが浮かぶ。
 
 
 
 
「今日、競技会で一位だったって聞いたよ!
やっぱり凄いね、なんだか私も嬉しくなっちゃった。」
 
 
 
どうしてか彼女は、何時だって一番にお祝いの言葉をくれた。
 
自分の事の様に喜んでくれた。
 
 
 
「相手だって頑張ってるんだから、頭ごなしに否定するなんて駄目だよ。
エミリオだってそんな風に言われたら嫌でしょう?」
 
 
 
何時だってこんな僕と真剣に向き合ってくれた。
心から心配してくれた。
叱咤してくれた。
 
 
 
 
 
きっと別の誰かだったなら。
 
彼女が彼女でなかったなら。
 
 
 
お節介もいい加減にしてくれ迷惑なんだと腹を立てたかもしれない。
自分から距離を取ったかもしれないし、絶対に立ち入らせない壁を作ったかもしれない。
 
けれど彼女に限って其れは、決して嫌なものではなくて。
寧ろ今の僕という存在を構成する上で不可欠なものとなっていた。
口に出して伝える事は確実に無いけれど。
 
ずっとずっと、傍に居て欲しい。
 
 
出来る限りずっと。
 
永遠なんておこがましい事は言わない。
 
 
 
 
 
…有り得ない話。
 
もしも彼女がそんな僕の思いを知りえたならば、きっと莫迦みたいに喜ぶだろう。
 
 
 
 



in addition to −Aに加えて/Aだけでなく−
(僕もまた彼女を笑顔にさせる天才だからだ)


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