ぼんやりと。
眠気に負けた、曖昧な思考の中でぼんやりと。
 
ゆっくり髪を梳かす温かい手。
愛おしげに細められた紫紺の瞳。
瞬きするたび長い睫毛が震え、そこから好き好き叫ぶ思いがぽろぽろ溢れ出しているよう。
ふたりきりの時にしか見せない柔和な表情に、決して自意識過剰なんかじゃないと再確認。
 
普段から眉間に皺ばっか寄せてないでこういう顔をしてれば良いのにね。
そうしたら敵だって作らない、もっと上手に世の中渡っていけるんじゃないかしら。
 
 
 
嗚呼、でも。
 
私だけしか知らない。
そんな優越感が心地好い。
 
 
 
再び訪れた睡魔に身を委ねぼんやり霞掛かかった思考の中、ふと、そんな事を思った。
 
 
 
 
 
for instance −例えば−
(幸せ、ってこの瞬間?)
 
 
 
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