最近、僕には悩みがあります。
研究に没頭して徹夜ばかりするルームメイトのことです。
 
いくら言っても聞かない彼は疲労で倒れることもしばしば。
カリカリとペンを走らせる音やら明かりやらが気になって眠れない日々が続いたのも今では良い思い出。
 
 
そう、それが原因なんじゃない。
寧ろ随分と改善してくれて嬉しいばかり…という訳にもいかず。
 
今度はその改善の理由が僕を苦しめる。
 
 
 
「ユリウス!
もう、まだ寝癖ついてるってば。」
 
「あ…本当だ。
直して貰っても良いかな?」
 
「しょうがないなぁ。」
 
 
 
満更でもないという風に、ユリウスの髪を梳かし始めたのは呼び名!。
因みに此処は男子寮、もっと言うと僕達の部屋の中。
 
これが悩みの種なんだなぁ。
 
男子寮と女子寮は、本来それぞれに居る守護龍のお陰で行き来できないシステムになっている……はずなんだけど。
天才と称される彼の才能を遺憾なく発揮したというか、こういうことに関しての呼び名!の閃きが神懸かっているというべきか。
恐らく相乗効果だろう、なんと彼らは自由に好きな場所へワープできる魔法を開発してしまったのだ!
(とはいえ、勿論制限はあるらしい…)
 
その日以来、決まって毎晩僕達の部屋へやって来る呼び名!。
ユリウスが女子寮に行く方が確かに大問題な気がするけど、年頃の女の子が躊躇いなく来るっていうのもどうなんだろう。
それとも、こんな事を考える僕の方が可笑しいのかな。
 
実際二人は僕も驚く程の清いお付き合いをしていて、否、毎晩添い寝してる時点で清くはないのかな、どうなんだろう。
とにかく彼女のお陰でユリウスが夜更かしをしなくなったし、ちゃんとご飯を毎日食べるようになったのも事実。


 
でも、でもね。
先生達にバレたら大変なんてもんじゃないだろうし、何より彼らは周りを気にしない所に問題があると思う。
 
 
「はい、直ったと思うよ。」
 
「ありがとう。
…うん、やっぱり呼び名!にやって貰うと凄く清々しい朝を迎えられるというか今日も良いことありそうな気分になるんだ。
それから君が好きって気持ちで胸がいっぱいになってちょっと苦しいくらいになるんだけどでも全然嫌じゃなくて、なんでだろう意味が分からない、これって病気なのかな。」

「朝から恥ずかしいなぁ…もう。
病気だよ病気、完全に病気。
恋の病でしょ。
ちなみに私も掛かってますが。」
 
「そうかそうだったんだ!
じゃあ呼び名!も俺と同じ気持ちなの?
凄く君が好きで好きで堪らないんだけど。」
 
「…うん、まぁ、そうですね。
好きって言葉じゃ足らない感じ?」


 
毎朝毎晩こんな調子。
…胃がキリキリしてきたよ。
 
 
 
 
 
as good as −…も同然−
(これって何事にも代え難い苦行だと思わない?)
 
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クリアした勢いって恐ろしい。
マシューの口調が全く分かりません←


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