×夢主病み/非道徳的
×流血表現あり



「風丸がわたしのこときらいって言うなら」

彼女はそこで一拍あけて。

「あなたのこと殺してあげる」

最低で最高で、一番甘美な言葉を吐いた。


***


だって風丸はわたしのものでしょう?ちがう?ちがうって言うの?そんなこと言わないよね、よりによって風丸がそんなこと言う筈ないよ。だって風丸わたしのことだぁいすきだもんね?わたしも風丸が好き、大好き。世界で一番愛してるの。でも悲しいね。周りの大人なともだちはみんな「おかしい」「狂ってる」「精神科いったほうがいいよ」とか、わたしがどれだけ風丸のことを愛してやまないか言うと決まってそう返してくるの。失礼しちゃうよね、人を異常者みたいに扱うだなんて。だってわたしの風丸への気持ちはだれにも負けないんだよ?朝起きたら風丸におはようメール送るし風丸と同じゴムで同じ髪型に結うしご飯を食べて身支度がきちんとすんだら風丸を迎えに行くの。それで今日の朝は何を食べただとかニュースがどうたらだとか話ながら学校に行くんだぁ。授業中は迷惑だろうからしないけど、休み時間になるたびメール送ったり電話したり会いに行ったりしてるし、お昼はお弁当作って一緒に食べるんだよ。放課後は風丸が頑張ってるところをちゃんと見たいから教室からサッカーグラウンドを見てるし、部活が終わったらわざわざ迎えに来てくれた風丸に「お疲れ様」って言って抱き着くの。そうしてまた二人で通学路の道を歩くんだよ。勿論風丸に近付く蟻はちゃんと踏み潰すし、蝶は手で鷲づかみにして捻り潰してあげるし、女の人だったら近付く程度ならまだ許してあげるけどベタベタ触ったり話したりしたら問答無用で青信号の道路に突き飛ばしてあげたり線路に突き落としたりしてあげてるのよ?ほら、わたしこーんなに風丸を愛してるの。風丸しかいらないの。だから風丸もわたしを愛して「名前、」

「なあに?」
「……俺は、」


『お前を愛してない』


「…え?」
「…だから、ごめん。……名前、警察行こう?素直に、自首するんだ。…な?」
「……」
「名前」
「…だ」
「…え?」


「嘘だ、」


ざくり。

風丸はわたしを愛してくれてるのそれが真実なの馬鹿言わないでわたしを愛さない風丸なんか風丸じゃないお前は偽物だ返して風丸を返してわたしの風丸わたしわたしのわたしだけの風丸を風丸わたし風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸風丸、かぜまる。

あはははは、大好きだよ風丸。



―――
20120405.title ことばあそび
ごめんなさい…orz

×補足
風丸は「愛してない」とは言っていたけれど「嫌い」だとは言っていない。つまりは?

「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -