さんみずきの前席に座ったのはショートヘアーの女子。「おーまどか」 「また読んでるの?しかも徒然草…」 「うん!でも、仇野って聞くと、篁出てこない?」 「さっすが親友」 彼女は仙堂まどか。みずきの友人だ。 この二人、共通点が一つある。 「篁だったら、少陰も良いよね」 「だよね!紅蓮良いよねっ!!」(ニハニハ) 「なにおうっ!?まどか!比古だって!」 「紅蓮!」 「比古!」 この二人は共にアニメ・漫画が好きであり、特に少年陰陽師と篁破幻草子が大好きだったりする。 実はこれでみずき#は歴史好きがヒートアップしたとかしないとか… みずきは平安時代(特に前期〜中期)が一番好きな時代だ。だから余計に火がついたのかもしれない。 そんな話をワイワイしていると徐々に人が教室に集まりだした。 きっとホスト部…失礼。テニス部の朝練が終わったらしい。 ここは氷帝学園中等部。みずき達はそこの二年である。 この学校にはテニス部の強豪校であり、なんの因果が知らないが正レギュラー人は皆顔が整っている。 その為、ファンクラブなどがあったりして女子達の熱気が凄まじい。 しかしながらみずきはテニス部に興味がさらさらない。さらにはそんなテニス部の顔を覚える気もない。 …しかし平凡に生きていくため、レギュラーの顔はなんとか覚えた。 何故なら正レギュラーの顔さえ知っていれば、例えば彼らが食堂に来たときに自分がそこにいても直ぐに避難できるからだ。 まあ正レギュラーの顔や名前を覚える際、クラスメイトの女子たちの協力があったのだが、それはまたの機会に。 普通に平凡に学園生活を送りたいのだが、運悪くこのクラスには一人正レギュラーがいる。 …どうやらその彼が教室に入ってきたようだ。 → (3/4) 前へ/次へ 栞を挟む |