ろく

おもろい奴に会ったわ。




みずきと解散し、財前はうっすらと口角をあげた。
七夕こと鷹狩みずき。出会いは財前自身の生放送である。

ひどく驚いたのが七夕が女だったことだ。
今までチャットぐらいでしか話し込んだことはなく、ス○イプ電話を正直言って忘れていた。
あぁ、なんで電話機能使わなかったんだ自分!心の中で突っ込んでしまったり。
正直に言って、みずきが何故男の娘と思ったのか、それはみずきが女言葉だったからである。
ネカマという部類があるだろう。今まで、財前が知り合った女言葉を使う人間はは皆そのような人物で、今まで聞いた現実の女子の会話には女言葉はほぼ使われていなかった。だからこそ財前は女言葉を普通に使うみずきがネカマの男の娘と勘違いしてしまったのである。(普段、普通に女性ことばを使う素敵な方はいらっしゃいますが、ここでの財前はそういう娘にであった事がない。という設定にさせて下さいm(_ _)m)
男の娘と勘違いしていたが、画面越しにみずきと会話するに、みずきは「悪戯好きのクラスでいるようなムードメーカー」と、自分とはかけ離れた人間だと想像していた。
まあ、その想像はあっけなく崩れた。





合同練習終了後、いつも絡んでくる先輩たちに何時も以上に辛辣な受け答えをしてしまったが早く先輩に気付かれずにみずきと合流したかったのだ。(ちなみに謙也は涙目だったと明記しておく)
今の財前の服装は四天ジャージではなくメカ○シ団の某ヒキニートを模した赤ジャージと制服のズボンだ。
もう分かってしまったと思うがみずきと財前が互いに目印にしあっているのはこの赤青ジャージ(言うならば赤青コンビを模した服装)である。カ○プロアニメがもうすぐ始まる!という深夜テンションで決めた何て言わない。性格が似ていたからなんて言わない!
+α、携帯にボカロと東方の嫁を括りつける事も忘れないのが、この二人である。


校門に近づくと門に寄りかかってヘッドフォンをつけている少女が見えた。
メ○クシ団の某エネミーをイメージした青ジャージと黒プリーツ。携帯(ガラケーだった)にはリンレンとフランドールのラバーストラップ。
間違いない、彼女が七夕だ。

ヘッドフォンで何かを聞いているのか、近づいても気付く気配がない。よし、ならば気付くまで見てやろうと思ったら顔を上げてしまった。
・・・なんだかこっちを見て固まったんだが。

よく考えてみると自分は不良に勘違いされてとるんだった。



なんだこのチビ。



と思ったのが財前の第一印象である。






驚きで叫びそうになった彼女を連行し、目的のカラオケ店にいくと七夕もやっと落ち着いたのか普通に話しかけてくるようになった。
彼女、七夕の名前は鷹狩みずきというらしい。

話してみるとやはり七夕は七夕であった。なんていうか、こっちが野生の某ヒキニートみたいといわれたがお前こそ野生の某エネミーだとツッコんだくらいだ。

会話の中で一番驚いた内容は七夕は学校の友達は少ない、という話題だ。驚いた、自分の想像とは全く異なり学校ではそこらにいるようなモブA・Bという立ち位置(悪戯は悪友と多くやっているようであるが)。
財前自身とは正反対だが似た者同士。東方のキャラに例えるなら霊夢と魔理沙くらいの正反対で似た者同士なのである。



「自分は変な奴やな。」
「薮から棒になんなの?」

口から滑った言葉に反応したみずきはジトリ、とこっちを見やる。
だってしょうがないだろう。こんなに大人しそうな顔をしておいて中身はゴーイングマイウェイ+野生の某エネミー。まあ自分も人のことは言えないが、それでも不思議な女だと思ったのだ。
正直、みずきという人間は初めて見るタイプの人間だった。

興味がわきあがる。もっとからかってみたい。もっと一緒に楽しみたい。

「某エネミーやと思ったんやって話。」
「何よ某ヒキニートのくせに。」

いったい何なんだと言うように困ったような、しかしどこか面白そうにふにゃりと苦笑いを浮かべる。
瞬間、ドクリとざわめいた。













「じゃあまた今度な。みずき」
「うん・・・・・・・・・・・・私名前呼び許したっけ?」








これが財前光とみずきの出会いであった。
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