いち偉人レポート〆切まで後三日に迫った。歴史が弱い人、まだ偉人について決めていない者はこぞってみずきに助けを求めるようになった。先日のあの犬将軍語りの効果がここで現れてたようである。 しかし、今日のみずきは放課後になった途端に帰ってしまったのである。 その後彼女を尋ねにきた者達の絶望した顔はそれはもう凄まじかった。 彼女はなぜそんなに早く帰宅したのだろうか。電車に乗り空いている席に座るも、どこかそわそわとプレゼントを待つ子供のように見える。 入学祝いに買ってもらったiPodを通しヘッドフォンから聴こえてくる音楽に耳を傾けながら乗り換えの駅が呼ばれるのを今か今かと待っていた。 さて、ここで一旦失礼するが、「ニヨニヨ動画」や「we-tube」をご存知だろうか。 どちらも有名な某無料動画投稿サイトだ。 そして「初音ミク」というワードを耳にした事はないだろうか。初音ミクはボーカロイドの一種だ。ボーカロイドというのはヤ○ハが制作した音楽ソフトの事である。 そのボーカロイドは今やネット上で検索すれば多くのオリジナル曲がヒットする様になった。すわわち日本のみならず世界中で初音ミク率いるボーカロイドに魅了された人々がいる事を証明しているのではないだろうか。 実は氷帝学園にもその風潮が見られるのだ。 氷帝にはお嬢様や坊ちゃんが通う成き、、、、、、失礼。お金持ち学校と捉えられる事が多い。いや、大半はそうであるが高い学費を払って通う庶民派の生徒もいる。(みずきやまどかもその一人である) 富裕派にはまだわからない者が多いが庶民派の生徒は知っている者が増えているのである。ここで話が読めた方が居ると思う。みずきもその一人だ。 それまで「初音ミク」というワードしか知らなかったみずきがボカロの世界に引き込まれた元凶はまどかと日吉である。 これは一年生だった頃だ。お昼休みにまどかと日吉の三人で昼食をとった時、二人がみずきの知らない話題で盛り上がっていたのだ。その話題がボーカロイドであった。「千本桜」「人造エネミー」などわからない単語が出てきてハテナを大量生産したみずきを見たまどかがボカロについて語り、日吉がウォークマンに入れていたボカロ曲を聴かせたのである。それ以来、興味を持ったみずきは様々なボカロ曲を聴く様になった訳だ。 元々凝り性であるみずきはものすごい勢いでそれらを吸収していった。 凝り性をあなどるなかれ。 それはもう猪突猛進の如く、または取り憑かれたかの様に興味の湧いた事柄を吸収していくのだ。 凝り性=オタク気質 と言われるのも無理がない。 (それに元々みずきも漫画やアニメは好きな方である) そのお陰で今やすっかりニコ廚になったみずきであった。 (1/4) 前へ/次へ 栞を挟む |