黄土衣 | ナノ


  ちっと昔話するぜ11/11


俺がおぜう様のスペルカードもどきはアクマ(?)と貫いて壁に突き刺さった。
おおう、スッゲェ威力。・・・なーんて思ってたらさアクマ(?)がドカーンと爆発しました。
え、俺きゅっとしてドカーンしてねーぞ?




そんで話ぶっ飛ぶけど俺は今眠った状態だ。言い方が違うなー・・・あっあれだ、頭はおきてるけど体は寝ている状態。
意識っつーか、魂は起きてるんだが体の方がうんともすんとも言いません。周りの音も聞こえやしません。まっ当たり前かもな。あんな神聖な物を(封印は置いておいて)コーティングしてねぇ素の状態で使ったんだ。体力や気力がもっていかれるに決まってら。

さて、俺はこれからどうなるんだろうな。
いや既に答えは出てる。


俺は翁達によってイギリスに行く羽目になるだろう。


正直気乗りはしないが、スペルカードもどき作っちゃったし、絶対に怪しまれているはずだ。
しかも怪しまれた後は翁達の様にエクソシストとなる事を強制するのは目に見えた話だ。

全く。俺がこの世界に来た理由がトパーズと出会う事だったとは。昔の因果かよ。




・・・あ?昔の因果が何だって?
折角だし俺の昔話でも聞くか?
今までちょこちょこ小出しはしてたけど、それじゃあつまらなぇだろ?












と言う訳で爆弾落とすけど俺、鷹狩篤志には前世の記憶がある。

「昔の俺」が生まれた時代は乱世。詳しく言うとギリギリ後漢。三国志における赤壁の戦いのあたりだった。
うっひょう!三国志ぃ!!なんて思うなよ。本当に激動の時代だったんだからな!
餓鬼の頃、魏の来襲で家族は皆殺されて(この頃は戦に負けた国の民、兵も皆殺しだった)、孤児になった後に俺はお師匠に拾われた。

お師匠は国一番と呼ばれる程の実力を持った道士でさ、身寄りの無い俺を育ててくれたんだ。お師匠は本当に優しく、そして強いお人だった。
で、お師匠は俺に術士の才があると見抜き、俺に様々な術を教えてくれた。
術だけじゃねーぜ?武術や祭祀の仕方。礼儀作法や生活に欠かせないものまで、なんだって教えてくれた偉いお師匠だ。あげくの果てにはどうやって優位に交渉(という名の脅し)の仕方まで教えてくれたしな。
俺にとっちゃあ、師匠であり、父親でもあったんだ。
で、そんなお師匠の後を継ぎたい、と思うのは当然だろ?だから俺はお師匠の業全てを受け継いだ。

後を継いで一年くらいしたときかな?ある日突然皇帝に呼び出された。
何事だ!?って心臓がキュッてなったぜ。
そしたら皇帝から直接布に包まれた赤子を手渡された。素では?って言ってしまうと皇帝は苦笑してさ俺に「この子を頼む」って言われてさガチでメダマドコー状態。

その理由は割愛すっけどそんな訳で俺は皇帝の娘を妹として育てたんだ。・・・今思うとさ、俺のシスコンはこの頃からか?
お師匠の後継いで、妹を育てて、そりゃもう大変だった。育てながら鬼やら幽霊やらバッタバッタ調伏して(中国では鬼=幽霊/幽霊=妖怪な)、気付いたらお師匠程ではないがそれなりに有名な道士になったな。

・・・べっ別に書物に俺が書かれてなくて凹んでるなんてないんだからねっ!


何時死んだかはあえて明記しない。まお前らの好きに想像するがいいさ。

何回転成したか知らねぇが今の「俺」になったわけ。
前世を知ってからばっちし前世の能力を使えるって判明したぜ。


ちなみに記憶があるって気づいたのは俺が幼稚園の時、旅行先の山で神隠しに遭ったのが原因だ。
まぁぶっちゃけると前世の俺を知っていた天狗が俺をかっさらった訳。「○○―――――――!!!!!!!!」って叫んで俺に突っ込んでいったのはマジでビビった。そん時俺記憶無いし?知らない兄ちゃんが飛んできた、という認識しかしてねーよ!

まぁ、そんな訳で記憶が戻ったわけだがそっから俺の戦いが始まった。



戦うってなんだよwwww
って思うだろうが俺にとっちゃあ死活問題だっての。記憶が戻ったと同時に膨大にあった霊力や知識が蘇ったんだぜ?
さらに俺の祖父ちゃん九州でちょっと位の高い神社で代々宮司やってんだ。親父だって継いでないけど神職の資格を持ってるくらいだし。
親父たちの下地と前世の能力と知識を足してみろ。







妖怪たちの格好の餌じゃんかよ!!
逃げたりさあ!!時には術とか行使して蹴散らしたぜ、あぁ頑張った!俺めっちゃ頑張った!!


そんなこんなで大疾走して十年。可愛い可愛い妹が生まれて、俺もテニスっていう趣味見っけて、順風満帆に過ごしてたんだよ。



それなのにこのザマだ。
ちくしょう、してやられた。







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