少年Aの困惑22/5



とりあえず、詳細が書かれたファイルを持たされリー兄妹が喧嘩しているうちにリーバーが部屋から出してくれたのでアレンはそのまま任務に行く事になった。
今は船で同盟国であるポルトガルに入国し、スペインへ向かう最中だ。
天気がいいので甲板で資料を読もうとしたのだが潮風が結構吹いているため断念。海は天気が変わりやすい事で有名だったのにうっかり失念していた。
気を取り直し近くにあったベンチに腰掛け資料を読む事にした。
一通り読み終えるとアレンの顔がどこか青くなっていた。その理由は資料の中でみずきと落ち合う事になっている村について書かれてある一文にあった。

「小さな村である為スペイン・カスティーリャ語もしくは土着語しか通じない可能性がある」

という一文である。
さて、どうすればいいのだろうか。アレンは焦ったそれはもう冷や汗だらだらである。

「スペイン語なんて知りませんよ・・・!!」

アレンはマナと一緒に旅をしたり、クロスに連行され世界を渡ったりしたが、母国語以外全く喋れないのだ。それに加え英語は世界共通語なので平気だろう、と胡座をかいていたのだ。

さて、どうしたものか。

普段は各国の地方へ行ってもファインダーの人が通訳をやってくれる為問題はなかった。
だが今回はファインダーが居るのかも判らないのだ。さらにアレンに課せられた課題がもう一つある。
彼女、みずきを探さなくてはならないのだ。
幸い、待ち合わせ場所は決まっているのでその場所で探せばいい。そして彼女についての資料が小さいながらも存在するので特徴がわかる。

もう一度、既存ファイルとは違う四ツ折の紙を読んでみる。







みずきちゃんの特徴とか色々

フルネームは嶋野みずきちゃん。僕と同じ東洋人だからラテンの人達とは直ぐ見分けがつくはずだよ。
天然パーマな髪をポニーテールにしててね、あ、彼女結構小柄だから見失わない様に気をつけて!!
あと団服の上に朱色のコートを着ているから一般人と見間違わない様にね。まぁコート丈が膝あたりだから心配ないと思うけど…でもさぁ、僕的には赤色のコートをお薦めしたんだけど、なんか「戯言シリーズのキャラと被るから遠慮します」って言っててさー。小説のキャラクターらしいけども被るからって何だろねー




…とつらつら書かれていた。途中からコムイの話に変化しているのは隅に置いておく。つまりコムイが言いたい特徴は

東洋人
天パ+ポニーテール
小柄
朱色コート

という訳である。
それでもアレンは見つけることが出きるか不安である。アレンの心配を嘲笑っているかのようにポルトガルへ到着するとの放送が流れた。

ポルトガルに着いてしまえば目的の町まで約二日て到着だ。






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