マニキュアで爪を綺麗にして



 マニキュアで爪を綺麗にして

「右手、綺麗に塗れない」

そんな言葉と共に吐き出された溜息。
可哀想に。そう言ってやれば彼女は不満そうに俺の顔を見遣った。
フンと素っ気なくそっぽを向き、ソファーの肘掛に指先を起きマニキュアの瓶を投げた。
時に可愛らしいそんな反応が見たくてわざと俺はそんな冷たい対応をする。
反射的に慌てて掌の中に収めれば顎でやれと指示する。やれやれ、とんだ我侭お嬢ちゃんだ。

「ジェイク、早く塗って」

姫がまた注文をつけてきやがった。

「はあ…仕方ねえな,わかったよ」

「ジェイク」

「あ?」

塗りながら聞き返せば

「乾いたらぎゅーして」

「…はいはい」

可愛い、畜生。

(ジェイクとちょいツン女の子)




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