悲劇を呼んだのは私腹を肥やした人間


憎い、憎い、憎い。
ユウキは手術台の上に乗せられたぐったりとした少女を満足そうに見下ろすブライアン・アイアンズ署長を睨むように見据えた。
これからその綺麗な女性を剥製にするらしい。悪趣味だ、気持ち悪い。アイアンズ署長に対して嫌悪感が沸き起こる。
クリスやジルたちと連絡が取れなくなり何度もここへ訪れた。その度にこの男は自分を追い払った。
そして話からするとあの男がアンブレラから賄賂を受け取り関連する事件を隠蔽していたらしいではないか――!
この男さえいなければアンブレラの悪事は世間へ公表され、この街の悲劇は止められたかもしれないのに。

「クリスたちのこともっ…知ってたの…!?」

怒りを半ば無理やり抑えてユウキは言った。
アイアンズ署長は鼻で短く笑うと「だから何だって言うんだ?」と返した。
だがそれだけで十分だ。この男はクリスたちのことを知ってる。
見えない敵と戦っていることも、何かの捜査していることも知った上で妨害したのだ。
断片的な推察でしかないがそうとしか思えなかった。
でなきゃユウキとクレアに黙って消えるわけがない。









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