what's your age?(don't try that)
呆然と立ち尽くしていると呆気なくグイっと手首を掴まれ、必然と走り出すことになる。
掴んでいるのはまたレオンだった。彼は背後を気にしながらユウキを引っ張り続ける。
彼の足は速いがそこまでではない。運動を行っていたユウキにとって追いつくのはどうにかといった感じだった。
しかし男女の差と警察官とだけあってやはり体力は自分よりもある。
息が上がるユウキに対してレオンはあまり切れていない。彼は長距離型、だろうか。
ああ、いけない。今まさに死から逃げているというのにこんなときに運動試合などを観戦するように観察してしまうなんて。
「ユウキっ…」
「はいっ!?」
「いくつだ…!」
「はいー!?」
訳がわからない。ユウキは額の皺を深めて息を吐いた。
心臓が忙しく血を体中に巡らせている。そのせいで自分の鼓動が聞こえてくるようだ。
脳に酸素があまり巡ってないせいか頭まで痛くなってきた。
「年は…!?」
こんなときに一体なぜそんな質問を。
答えられず一生懸命、酸素を取り込むために荒々しく呼吸をしていると代わりにクレアが口を開いてくれた。
「レオン、ユウキに…」
呼吸が辛いらしくそこで言葉が一度切れた。
「手を出し、たらっ承知しないわよっ!」
途切れ途切れではあるがそう聞こえた。
訳が分からず斜め隣りのクレアの後頭部を見つめたが彼女は前を向いたままである。
続いて手首を掴んだままであるレオンを見遣った。あ、目が合った。
戸惑うように見つめ返せば彼は少し辛そうに眉を寄せたまま、ふっと悪戯っぽく笑ってみせた。
やはり意味がさっぱり理解できなかった。