who is that girl


警察署内へ到着したユウキは署内を探っていた。危険な行動であることは分かっているが自分にはジェニファーを探すという目的がある。
友だちを探し出し、生きてこの街を出なくては。そしてクリスへ伝えるのだ。
クリスたちがいなくなってもっとこの街はおかしくなってしまったよ、と。
小さな女の子がいた気がした。自分よりも一回りくらい離れた年の女の子を。
ユウキが声を掛ける前に女の子は逃げてしまった。こんな危険な事態に女の子一人放っておくわけにもいかない。
すぐに追いかけるために走り出した。

「待ってっ…お願い」

曲がり角を曲がるとゾンビの両手に首を掴まれた。
首の圧迫感に悶えながら噛み付こうとしてくるゾンビの口をかわす。
これに噛まれれば自分もこうなってしまう。
ユウキは足を曲げて一気にゾンビ目掛けて伸ばした。壁に衝突するゾンビに止めを刺せず骨を折るだけにとどめておいた。
そのまま駆け出そうとするが道が分かれ、扉が幾つかある。
これではどこへ行ったか分からない。
悪態をつき、落ちたハンドガンを拾い上げた。

「クレアと…レオンは無事、かな…」

あの二人ならきっとここへ辿り着いているはずだ。
友だちのジェニファーだってそう。きっと何とかここへ辿り着き、署で働く父親と再会できたに違いない。
それにしても署内がどうなっているかわからない。
安全だと思ってここへやってきたが見当外れだったようでゾンビが街よりは少ない方だが多く徘徊している。
とてもじゃないが太刀打ちできない。それだけの技術と体力が備わっていない。

「ジェニファーがどこにいるか、だよね…」

彼女ならきっと下手に動かずにどこかの部屋で隠れているに違いない。
ユウキは一つ一つの扉を見つめた。一つ一つシラミ潰しで開けていくしかないだろう。








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