白兎を追いかけて | ナノ

合宿が終了して、ウチらは休む日もなく学校。

オサムちゃんの唯一の慈悲が、朝練がないっちゅーこと。


「ふわ〜ぁ…」


…眠いっちゅーことには変わりないんやけどなぁ。

校門を通り過ぎると後輩が握手を求める。
時々同級生とか先輩も紛れてんけどな。


合宿中、ほんまにいろいろあったなぁ…。

蔵に嫌われたかと思ったけど、そうでもなくて。

結構、接近しちゃったりして。

距離…縮まったような気もするんやけどなぁ。


自惚れやろうか?


そういえば最後の夜、蔵が聞いてほしいことがあるって言ってた。

謙也の電話が入ったから聞けんかったんやけど。


……結局、なんやったんやろ?


(今日、聞いてみよう)


靴を脱いで、扉式の靴箱をいつものように開ける。


…すると、そこに置いてあったのは一枚の手紙。


(どうせファンレターやろ)


真っ白で綺麗な封筒やな。


一週間に何度も女の子から「花風先輩のこと尊敬してます!」とか「憧れです!」なんて内容のファンレターを何通ももらう。

今回もそうやろって、軽い気持ちで宛先を確認した。


“薮内 徹平”


やぶうち、てっぺー?


これ…、男の子からやん。


「………え?」


花風柚、只今目が覚めました。



手紙に綴られた想い
- 77 -


|
戻る
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -