白兎を追いかけて | ナノ



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いや、まさか…ねぇ?

ありえへんやろ、うん。

やって、ウチやし…。


窓から飛び降りるし、走り回るし、男の子よりなにかと強いし。

女っ気0て謙也に評されるほどやし。

机にどーん!と置いているのは、先ほど靴箱に入っていた一通の手紙。


まだ中身は未開封。

(やって…ドキドキするんやもん)

告白されたことは、何度か。

せやけど…ラブレターをもらったことはない。


いや、待ちぃ。

まだラブレターって決まったわけやないし、うんうん、男の子からのファンレターかもしれんし。


(うわー……緊張するわ)

蔵とか謙也とか、毎週何度もラブレター貰ってるもんなぁ。


こないにドキドキせんのやろうか。

あいつらはモテのスペシャリストやもんな。次元が違うわ。


うだうだ考えたって何も変わらん。

…よっしゃ、気合いやねん。


「いざ!」


ウチは腕を震えさせながらもラブレター(仮)を手に取った。
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