合宿が終了して、ウチらは休む日もなく学校。
オサムちゃんの唯一の慈悲が、朝練がないっちゅーこと。
「ふわ〜ぁ…」
…眠いっちゅーことには変わりないんやけどなぁ。
校門を通り過ぎると後輩が握手を求める。
時々同級生とか先輩も紛れてんけどな。
合宿中、ほんまにいろいろあったなぁ…。
蔵に嫌われたかと思ったけど、そうでもなくて。
結構、接近しちゃったりして。
距離…縮まったような気もするんやけどなぁ。
自惚れやろうか?
そういえば最後の夜、蔵が聞いてほしいことがあるって言ってた。
謙也の電話が入ったから聞けんかったんやけど。
……結局、なんやったんやろ?
(今日、聞いてみよう)
靴を脱いで、扉式の靴箱をいつものように開ける。
…すると、そこに置いてあったのは一枚の手紙。
(どうせファンレターやろ)
真っ白で綺麗な封筒やな。
一週間に何度も女の子から「花風先輩のこと尊敬してます!」とか「憧れです!」なんて内容のファンレターを何通ももらう。
今回もそうやろって、軽い気持ちで宛先を確認した。
“薮内 徹平”
やぶうち、てっぺー?
これ…、男の子からやん。
「………え?」
花風柚、只今目が覚めました。
手紙に綴られた想い
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