白兎を追いかけて | ナノ



――…


…だいたいな、かっこええ人は性格が悪いのがお約束なんや。

俺様やったり自己中やったりな。

あぁ、今日も俺様はかっこいい…アーン?みたいな。
鏡を見てはそんな感じや(多分)


せやのに…、この白石蔵ノ介っちゅー男は…自分の容姿をなんとも思っとらんな。


あんな風に庇ってくれたし、今現在、送ってもらっとる。


「髪色…一緒やな」


………え?あ、髪色?

白石くんの視線はウチの長い髪に注がれていた。


「ほんまやなー。ウチは、地毛やで?」

「俺も地毛や」

「あはは、一緒やな」


ニコッと笑って見せると白石くんもその甘いマスクで優しく微笑んだ。


「白兎みたいや」

「しろ、うさぎ?」


キョトンとするウチに、白石くんは笑顔で語り出す。


「今日木の下で花風見っけてな、雪被っとったこともあんねんけど白兎みたいや思ったんや」


「ウチ…うさぎなん?」

「なんか小動物っぽいやん」


「……うーん」



これは初めて言われたなぁ。

窓から飛び降りたりすばしっこい所から、友達には猿やて言われんのやけど…―。



(喜んでええんやろうか?)
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