白兎を追いかけて | ナノ



好きになったんは、いつやったかな。

気付けば柚がいつも隣にいて、当たり前のように恋心を抱いていた。

無邪気な笑顔も、人懐っこい性格も。


才能に恵まれてみんなに好かれてるのにどこか寂しそうで、俺が守りたいと何度思ったことやろう。

何でも出来るくせに、ドジで抜けていて、目が離せんかった。


「蔵ーっ!」


柚が笑顔で名前を呼んでくれることに、幸せを覚えた。


目を離したら、キミは兎のようにすぐにどこかに跳んでいってしまうから。


早よ、俺の腕に収めとかんと。
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