肝試しのペアはどんどん決まっていった。
「イケメン幽霊をロックオンするで〜っ」
「浮気か!死なすど!」
小春とユウジ。
やっぱこの二人は一緒なんやな。
あー、まぁ、分かり切っとったことや。
「よかったわ千歳で〜!幽霊退治は頼んだで!」
「なん言いよっとね、金ちゃん。幽霊がおるわけなかたい」
金ちゃんの世話頼んだで、千歳。
「果たして幽霊に波動球は効くんやろうか…」
「師範、ラケットとボール持っていかんでええですか?」
大丈夫やで財前。
銀は口から波動球を出せることも立証済みなんやからな。
……で、
「顔が青いでヘタ、…謙也」
「ぅおい白石!今ヘタレて言おうかしたろ!」
「俺は言っとくけど幽霊とか信じてへんからな」
「ななな何言うてん!俺も信じてへんで!紅い着物とか!ゆゆ幽霊とか!」
先が思いやられるなぁ。
…にしても、柚はなにしてんねやろ。
…―順番決めでは、俺らは最後の組になった。
「最後って、後ろに誰もおらんからほんのちょこっと怖いなぁ」
ほんのちょこっとって…、サバ読み過ぎやって。
「お化けも驚かし疲れとるやろ。せやから出て来んし、ええんちゃう?」
「お、おお!おおお!確かにそうやな。さすが白石やー!」
なにあっさり喜んでんねん。さっき幽霊信じとらんって同意しよったやろう。
…まぁええけど。
ほんま部員操るの上手なったわ、俺。
「副部長の…小石川です」
「忘れてへん。決して忘れてへんで」
悲しげに呟く小石川に即答。
忘れてへんで、うん。
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