白兎を追いかけて | ナノ



金太郎がだだこねている中、みんなはノリノリで肝試しの準備を始めていた。
そんな中、唯一の女の子がいないことに俺は気付いた。


「あれ?柚は?」

「あー…確か、流しそうめんの後片付けもせなあかんし怖いのは嫌やから不参加って言いよったで〜」


近くにいた忍足に聞いてその返答の内容に首を傾げる。

柚は幽霊などホラー系は苦手や。


(せやけど…こういう盛り上がるイベントはむっちゃ参加したがる筈なんやけどな)

俺は柚が不参加なことに少し肩を落とした。


やって…なぁ?
好きな子がおったほうが盛り上がるやろ。

「ほな、ペア決めのくじ引きをやるでー!」


小春とユウジがいつの間にか作ったくじを部員が次々と引いていく。
順番が回ってきて、箱の中に入ったくじを引いた。


(誰と一緒なんやろうか)


少しの期待と共に折りたたまれた紙を開くと、そこに書いてあった数字は“25”。

まともなヤツとがええなぁ。
25番誰やー、と叫ぼうとしたとき。

隣のヘタレ代表が叫んだ。


「ききき肝試しなんか、ぜぜぜ全然怖あらへんで。ああ、紅、紅い着物の幽霊なんて、でで出るわけないやろ!お、俺にどんとついて来いや!25番は誰やねんー!」


(………。)
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